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「ところで吉夫、お前、クラブを作るとき、端っから5人って決めてたのか?」真一が聞いた。 「ああ、上の句は五語だろう。だから5人で始めようと思ってた」 「おれが入って、拓真を誘って、それから玲子と笑美子が入って来たんだよな」。「それで閉め切っちゃったんだものな、お前は。おれがもっと入れようって言ったのに」 「最初が肝心だ。多すぎるとまとまらないぞって、爺ちゃんが言ったんだ」 「おう、お前の先生だものな」 「すごいなあ。高校入学と同時にクラブを作るなんて。しかも俳句クラブだぜ」と、拓真。 *下に続く
今日は昼間ちょっと時間ができたので、PCにむかっています。何となく男性ばかりのグループと思っていたので、ちょっと意外でした。それも俳句クラブということで。高校生でしたか、やっぱり。女性たち、来るでしょうかね。続きを楽しみにしています。この掌編、少なくとも二人の固定愛読者がいます。
2017年04月19日21時41分
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*つづき 「おう、担当顧問もいないのにな」 「でも君たち、よく入って来たな。二人ともどうみても運動部タイプなのに」と僕が言うと、 「拓真とおれは、夜に武道を習っていたからな。昼間はこっち、こっち」と真一が自分の頭を指差した。 「お前に誘われたとき、拓真と一緒ならやってもいいなと思ったんだ。下手仲間がいないとな」 「道場の帰りに真一が、月を見て一句詠もう、なんて言うんだ。四苦八苦して一句詠んだら、やたらに褒めるんだ。それでおれも入ることになっちゃった」 3人の笑い声が桜の花に届いた。 *次掲桜につづく
2017年04月19日15時48分