ち太郎
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必要以上に格好をつけて生きていた日々だった。 それを見抜かれるのが嫌で、昔はこういう目線に耐えられない小心者の自分がいた。 両目なんか無理。片目だけで勘弁してくれ。 秋の夜長に、ショートストーリーと組み合わせた写真です。ご興味がある方はどうぞ。 フィクションかノンフィクションかは皆様のご想像にお任せいたします。 FD100mm/F2.8 1/250秒 f4 フジ記録(業務)用カラーフィルム100 モノクロに加工
それ以降 お互い口にしなかった…… セツナ、ほろ苦、胸きゅんストーリーじゃないっすか……優しいんすねち太郎さん。人に物語ありですね。ポスターの彼女、私の好きなジョーン・ジェットに似ていて素敵っす!!
2020年10月14日20時15分
>ジョニオ様 読んでいただけましたか!嘘のような、本当のような謎のストリーです(笑)。 40年以上前はこのような世の中でしたね。この後にバブル期がやって来ます。今の世の中は整い過ぎていてスカスカのような気もしますが..。 ショートストリーは、読む方を一気に引き込まねばならないので難しいです(汗)。 いつも嬉しいコメントありがとうございます!
2020年10月14日23時06分
ハードボイルドタッチ(?)の文章と顔半分だけを切り取ったモノクロームの肖像とが相まって、見事なまでに“映像効果”を高めています。 とにかく描写が細かい! しかも妙にリアルで生々しい・・・。 特に「前を向いたままの~~見返されるのが怖かった」の件。 あれは経験していないと書けませんよねえ・・・(笑 前にアップされていた70年代の初めごろに銀座で撮った若き日のち太郎さん(あれはちょっと若すぎる?)の姿がだぶって見えてきました。 運転席と助手席の距離は、近いようでいて、とても遠いようにも感じられます。 二人の関係はビミョーにニュートラル? もしやギアはその象徴? 「長い夜」は、ひょっとしてその女性が結婚するまで続いていたのではないでしょうか? フロントガラスの向こうの空は、実は今も明けきれてはおらず、黎明状態が続いていたりして? ところで、この時代にすでに“アッシー君”とはご愛敬・・・ですよね???(笑
2020年10月15日01時57分
ち太郎さんの優しさが溢れるストーリーですね。 若い頃は色んなことが経験となり日々成長していくんですね。 その様が見て取れました。 また次会を楽しみにしております(^-^)/
2020年10月15日04時23分
>ペペロンターノ様 まあ色々とあった中の一つのような、そうで無いような。そんな感じです。 皆様もブイブイ言わせていた時代があったのかもしれませんし、クールで、また、沈んだ期を過されたかたもいらっしゃると思います。 また機会がありましたら別のエピソードを考えてポストしたいと思います。 いつもユニークで、ご丁寧なコメント、ありがとうございます!
2020年10月15日10時34分
>イルピノ様 実話では無いかもしれませんよ〜。まだまだ創作的エピソードはありますが、ショートにするのが難しいのです(泣)。 いつも嬉しいコメントありがとうございます!
2020年10月15日10時38分
>よねまる様 年齢的なことも絡んで、70〜80年代は騒がしい時代だったかもしれませんが、濃密だったことは確かなようです。今はサッパリし過ぎているような世の中のような気がしますが...。 もっと当時の「風」を感じるストーリーができましたらポストいたします。写真はたいしたことがありませんが...(笑)。 いつも暖かいコメントありがとうございます!
2020年10月15日10時41分
>pinoco**様 ありがとうございます! 秋の夜長なので考えてみました。90年頃は会社勤めをしながら小説家になりたくてワープロ(古い!)と格闘をしていましたね。さる大手出版社の新人賞に応募して、ラスト10人に残ったのですがそれまででした。才能が無いことを実感しましたね(泣)。 おかげでワープロ3台買い替えました(笑)。 いつも暖かいコメントありがとうございます!
2020年10月15日23時30分
物語を読み終えてから、改めてこのモノクロ写真を見ると、この写真が挿絵に見えてきました。 この場合はカラーよりもモノクロの方が雰囲気が伝わりやすいと思いますので正解だと思います。(`・ω・´)∩
2020年10月17日13時07分
>オニカマ様 大昔のストーリーで、フィクション的なので、どうかなあと思っています。 別のパターンも考えますのでよろしくお願いします。 読んでいただき、コメントありがとうございます!
2020年10月17日18時48分
ち太郎
「長い夜」 真冬の夜8時ぐらいに、来てと電話があったので、ボロ車を走らせて女の大きな屋敷に着いた。 3台も入るガレージで車の入れ替えをした。 ロングヘアーで、いつもきちっと高級そうなワンピースを着ていた。今夜もそうだ。 セリカLBの助手席に俺を乗せて女は無言のまま走り出した。 * 10分ほどで着き、二人で木造アパートの狭い階段を2階に上った。 ドアが開くと少しだけ顔を知っている奴で、目が合うと向こうから会釈をしてきた。 狭い入口に置いてある派手なハイヒールが目に付いた。 女だけが部屋の中に入り、しばらくして何故か布団を持って出て来て、これ積んでおいて、と言うと部屋の中に戻った。 布団を抱えて階段を降りた俺はリフトバックの後部に積み込んで待った。 なんだ、アッシーならぬ運び屋君かよ。ちょっと毒づいた。 * しばらくして女が戻ると、再び無言のまま走り出した。 何だかバツが悪くて、俺はタバコに火を付けた。 急に路肩に車を止め、ギアをニュートラルに入れた。 サイドブレーキを引いたその左手で、灰皿に伸ばした俺の右手首を掴んだ女は、突然ハンドルに顔を突っ伏して泣きじゃくった。 タバコの火が危なかったが大丈夫だった。 * 鼻水混じりのズルズルの声で、「アパートも、布団も、全部私が…」 俺は左手で無理矢理右ポケットからハンカチを出したが、それより早く女はダッシュボードのタオルを掴んで顔を拭った。 それ、さっき曇ったフロントガラスを拭いてましたけど、まっ、いいか...。 前を向いたままの俺は、右手首を掴んだ女の手の上にハンカチを持った左手を乗せた。 右を向けば彼女を見れるのに、涙目で見返されるのが怖かった。 だから、それぐらいしかできなかったのだ。 それからが長い夜だった。 * 高校生時代から知っているとんでもない我がままで世間知らず、気の強いお金持ちの娘だったが、成長したなあと感じた。 女の両親に俺の車を見られたら、何でこんなボロいのが停まっているの?誰の?娘のセリカは?と思われるに違いない。 * ハイヒールも、布団の意味も解ったけど..。 一人でもできたはずなのになぜ付き合わせたのか? 布団ぐらいは積めるので俺の車でも良かったのに? 真相は未だに解らない。 2歳年下の女だった。 それ以降もその女が結婚するまで友人関係は続いたが、その夜の事は一度もお互いに口にしなかった。 1970年代後半--遠い昔の少しほろ苦いストーリーです。
2020年10月14日13時48分