身を屈め、今にも飛び出さんばかりの赤いドレスの女。 夕闇が女を包み始めていた。 だれかを待っているのだろうか、道路脇に伏してじっと動かない。 下を向いた眼は爛々と輝き、いつでも飛び出せる気配だ。 そのとき、歩道にダークスーツの男が現れ、彼女のドアを開き身を滑り込ませた。 彼女は嬉しそうにブルンと言った。眼が炯々と輝き、私を睨んだ。 私は一枚を撮って退散した。 彼女の行き先は知らない。 ちなみに私は通りすがりの男。パパラッチ、・・ではない。 ＊ナンバーはリタッチしてあります。

コメント14件

はなてふ

うふふ　擬人化の妙ですね　何度か読み返して理解しました(^^ゞ

2020年05月17日21時41分

コンサ

後方に墓地があるのも、また深みを感じます(^^;

2020年05月17日21時42分

yoshi.s

相変わらずはなてふさん、早いなあ。 お楽しみ頂けましたか。 ちなみに英語では、車をSheと言います。給油所で「満タンね」は、「Full her up, please!」です。

2020年05月17日22時28分

yoshi.s

コンサさん そうなんです。後ろは墓地。それを題材として、もっとおどろおどろしい話しも考えたのですが、まあ、ここでは止めました。『彼女』にも失礼ですし・・。

2020年05月17日22時29分

HATTU

ピッカピカのボディにはロマンがありますね。

2020年05月17日21時53分

yoshi.s

HATTUさん きっと相手の男が良いのでしょう。

2020年05月17日22時29分

旅鈴

赤い車といえば、百恵ちゃんの歌を思い出しますね。 あれはポルシェだったかな。 こちらの町の中はわりとカラフルな車が多いですよ。 青、赤、黄色、緑、橙色、黒、白、紺、灰色etc. ちなみに我が家のは紺のとワインレッド。 このワインレッドは黒花蝋梅みたいに一見黒いのですが、 陽が当たると紅く見えるのです。 パパラッチでなくともこんな車撮りたいですよね。

2020年05月18日04時52分

yoshi.s

旅鈴さん 黒花蠟梅みたいに、とは例えがすごいですねえ。思わずwikiって見ましたが、見当たらない。 まあしかし、想像はできます。 この画のAudiは紅。逆に、陽が落ちて夕闇に包まれはじめ、陽の当たった黒花蠟梅のような（おそらく）、色になりました。

2020年05月18日10時10分

いずっち

夕闇に包まれながら伏し目の瞳を爛々と輝かせてる赤いドレスの女性。 彼を愛しすぎて サスペンスに発展していきそうです。 少しでも彼に不穏な空気を感じたら・・・ 操縦不能になるかも・・。あ、こうなったらホラーにもなりますね(^^;

2020年05月18日11時06分

yoshi.s

さすがいずっちさん。さっそく物語仕立てに入りましたね。 かくして写真掌編の輪は広まり深まる。

2020年05月18日14時54分

旅鈴

michyさまの黒花蝋梅をご覧くださいませ。 https://photohito.com/photo/8336419/ 陽にあたると紅に見えるのだそうですよ。

2020年05月19日00時41分

yoshi.s

旅鈴さん 行ってみました。 コメントまで入れていたのに憶えていない。う〜ん。 日に当たったところを見てみたいものです。

2020年05月19日13時59分

キンボウ

なるほどねぇ想像力が凄いですね〜

2020年05月29日11時51分

yoshi.s

キンボウさん へへ。こんな画だとついちょっとした物語を考えたくなるのです。

2020年05月29日12時43分

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