森の花
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そう思えた。 30分前は色々な方向を見て、草を食んだり思い思いに過ごしていた鹿たち。 夕空の色が変化しだすと前後左右の人達と鹿さん達:全哺乳類皆が、鹿せんべいの様に丸い陽を見つめていた。 この時の鹿たちの視線の先と人達の視線の先が同じだった。 若草山に来ていた人達や鹿たち数十頭も皆して、一様に洛陽を眺めていた。 鹿さんも夕陽の美しさや切なさを分かってくれている気がした。 あの、鹿と人の一体感は忘れられない。