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好文の花は去りゆく実よ結べ *つづき 「そうそう、もうひとつ大事なことがある」。「被写界深度だ」 「ひしゃ、かい、しんど?」。「それなに?」 「これは用語自体が難しいね。ピントの合う前後の範囲だ。ピントの深さ、と言ってもいい」。「ピント位置の前も後ろもはっきり写るのを、深い、と言い、ピントのあたりしかはっきり写らず、近くも遠くもぼやけているのを、浅い、と言う」。「それによって、画の表情は全く違う」 *下につづく
オーちゃん!さん 佳夫のカメラ扱いの講釈などは、このPHOTOHITOの投稿者には当たり前の内容でしょうけれども、よく読んで下さっているようで嬉しいですよ。
2020年04月02日17時35分
はなてふさん 技芸、と言います。テクニックがあってのアートです。 これは梅の花です。 一ヶ月も前に撮ったものです。 こうしている間にも時は過ぎて行きます。二人の実が結ぶといいですね。
2020年04月02日20時26分
金糸のような蕊が花弁に映えて、グッと迫ってきました。 被写界深度ってとっつきにくいと思っていましたが、これはわかりやすい! 分かったような気になりました。無論、気になっただけですが(^-^; 写真技術を文芸のテーマにしてしまう、、、、真骨頂を発揮されていますね。
2020年04月03日23時13分
yoshi.s
*つづき 「ああ、それは分かるわ。少林寺拳法の写真でも、会場全体が写っていて、周りの様子はよく分かるけれども、肝心の技そのものも周りのごちゃごちゃに紛れ込んでぱっとしないことがよくあるの。その一方、周りは溶けたようにぼやけて、技だけが浮き上がって見えるのもある。そういうのはとてもすてき。プロの写真を見ると、ほとんどがそうね」。それはどうやって決めるの?」と、凛子が身を乗り出す。 「被写界深度は絞り操作によって変化する。全体をくっきり見せたい場合には絞る。絞りの数字を大きくすればいい。反対に、ピントの周りだけをはっきり見せて、前後をぼかすには絞りを開ける。」 「ああ、そんなに難しくないわね」 「うん。だけど、注意しなくちゃいけないことがある」。「絞りを開け過ぎると、光がたくさん入って来て、露出オーバーになる。それをシャッタースピードによってコントロールする。つまり、スピードを速くする。すると、シャッターの開いている時間が少なくなるので光の量は少なくなる。つまり、適正露出は、絞りとシャッターの兼ね合いで決まるんだ。絞りを開けた時には、シャッタースピードを速くする。その反対は逆だということが分かるだろう?」。「それを自動的にやってくれるのが、絞り優先オートと、シャッター優先オートだ」。「どちらを使ってもいい。撮影者の必要によって選ぶことだ」。「ぼくはこうして花や景色などを撮っているから、被写界深度優先。絞り優先オートだ。つまり露出を自分で決める。あとの速度調整はカメラがやってくれる」。「君のように速いものを撮る場合には、シャッタースピード優先オートの方が使いやすいだろう。速さを決めてしまえば、あとの露出調整はカメラがやってくれる」。「それに、室内で撮ることが多いだろうから、ISOをオートにしておく。すると必要によって感度を上げてくれる。つまり暗くても写るようにカメラが設定し直してくれるんだ。これは便利だ。ただ、画質が少し荒くなる。それらのせめぎ合いだな」 「しなくちゃいけないことがいっぱいあるわね」。凛子が言う。 「そうだね、だからこそ面白いとも言える」。「まず、いま言ったような基本的知識を踏まえてカメラを扱うことがマニュアル操作だ。カメラは、それに応える機能を持っている」 「オートで撮っている限りは、その機能の半分も使っていないと言うことになるのね」 「まあ、そうだね」 「この何日かで、マニュアル撮影のやり方がだいぶ分かるようになったわ。あとは慣れね。佳夫くんのお陰よ。ありがとう」 *つづく
2020年04月02日13時36分