『この日は、十月の三分の一過ぎても真夏と秋が同居する様な天気でした。日当と日陰の光の差が大きく、写真的には難しかったです。この一枚は、大きな木立に出来た影の部分です。その木立の隙間からもれた光が、キバナコスモスにスポットライトの様に当たっています。そこを狙いました。ちょっと私には地味な一枚かもしれません。（笑）』

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お疲れ親父

色彩、形状がくっきりしたドラマチックな作品にはインパクトがあり、当然、目を惹く訴求力も豊かですが、ほのかな光の中で日本画のような繊細な形状を浮き上がらせる作品もまた魅力的だと思います。この作品からは清麗な緊張感が密やかに感じられますが、それは黄色い花を柔らかい木漏れ日で透かし出す露出加減、中景の花による遠近感の演出、背景の草むらの活かし方とぼかし方など、撮影者による十分な配慮や試行錯誤が隅々までなされている成果であり、それ故の秀作であると感じました。

2019年10月11日13時26分