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きこりん

ややもすると、淡くて消えやすい小さな命は、精一杯の虚勢を張っていても、恐怖から開放されたからなのか、それとも痛さのためなのか、今にも泣き出しそうな表情になっている。「もう大丈夫だよ」「いつもの日常に戻ったよ」と声をかけたところで伝わるはずもない。１日も早く保護されて治療されなければ、良くても右の後ろ足は壊死して失うかもしれず、そうなってしまっては、苛酷な野生下では生き残っていくことはできないだろう。しかし、一度人間に対して不信感を持ってしまったロックは、例え自分の命が救われると分かっていても、保護されることを望まないだろう。春はもうすぐそこまで来ているが、冬が終わり気温が上がると「細菌感染」という新たな恐怖がロックに襲いかかる。つづく

2019年03月06日01時29分

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