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憎しみ 2

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    きこりん

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    ほどなくして、もう一人の男もロックの方へと歩み寄り、二人で何やら話し合いはじめたが、私からは遠すぎて声が聞き取れない。 ロックは、二人の男が揃ったのを見て、それまでの「怯え」から「憎しみ」へと態度を変えた。 どこか覚悟を決めたようなその表情には闘争心すら感じられた。 右後ろ脚の踵から下はもう殆ど感覚が無くなっていると推測できるほど凍りついていた。 傷は出血こそしていないものの、表皮が三角に剥がれるほどに深く、何かが肉にまで食い込んだように見える。 傷の形状から「トラバサミ」にかかった可能性もあるが、であるなら明らかに違法な行為であもある。 私は一部始終を撮影した写真とともに、状況の詳細を記したメールに添付し、最寄りの自治体へメールした。 翌日、その自治体より、警察へ通報するとともに周辺地域のパトロールを強化するとの内容で返信が送られてきた。 更に、近日中にロックの存在を確認し、保護及び治療が可能か検討する旨が付けくわえられていた。 以前、ディープなカメラマンが集う防風林で撮影していた際に、春になると足元のゴミが目立ってきたので、個人的にゴミ拾いをしていたことがあった。 拾ったゴミはゴミ袋に詰めて持ち帰っていたのだが、ある時、地元の撮影仲間が賛同し、この自治体へ「ゴミを収集したので回収してほしい」と電話したところ、すぐに収集しに来ただけでなく、「不法投棄禁止」ののぼりを数十本も立てて行ったことがあった。 そんなことから、近年稀に見る「やる自治体」だという認識でいたので、「この町に住みたい」という思いすらあった。 そんな町で、どうして野生動物が辛い思いをしなければならないのか? つづく

    2019年03月05日23時19分

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