記録。 もうこれは単なる路地だ。街道の面影はない。 しかしこれが浜街道でなくては道が繋がらない。 右の家の庭の奥に年配の人がいたので、半信半疑尋ねてみた。 すると、「ああ、そう聞いてるよ。この道が浜街道だよ」 やっぱり。 沿道の住人の記憶すらも少しずつ薄らいで来ているようだ。ぜひ子女に伝えて欲しい。 ただ、街の人々の記憶がおぼろげなのはこの辺りだけだ。 間もなく街道然とした道に戻る。 なんだか少し残念な気分になってきた。 この道を探し当てるのは私にとっては小さな冒険の旅だったのだ。

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