yoshi.s
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アベリアは生まれた時からずっとこの道路端にいた。 いつか違う世界を見てみたいと思っていた。 仲間は、そんなことできっこないじゃないか、といつも笑う。 やがて額にも皺が寄って来て、先もそう長くはないことが分かるようになってきた。 アベリアはなおのこと他の世界を見てみたいと思った。 そんなアベリアの気持ちを知ってか、風が言った。「今夜眠らずにいれば、僕が別の世界に連れて行ってあげるよ」 アベリアは喜び、そうすると風に言った。 雨が止んで、夜になった。 アベリアは眠いのを我慢して風を待った。 *下につづく
いつまでたっても青二才さん 早速にありがとうございます。 夜、花に最短でピントを合わせ、絞り開放。露出はISOで車のライトに合わせます。 あとは花のシルエットが車のライトに浮かび上がるのを待つだけです。
2017年07月05日20時44分
白い清楚なアベリアが別の世界を見たくなりました。 見せて頂いた世界は夢のような赤や白の輝きの世界でした。 カメラの技術は説明をして頂いてもわからないのですが こんなに素晴しい世界を作れることに驚いています。 中央の赤いまん丸ボケの中に、こんこんの狐さんがいるみたいです。
2017年07月05日21時09分
michyさん こんこんの狐さん、には頬が緩みました。 月のうさぎさんのようなのもありましたよ。 まあ、今回はタイトルのような話しにしたので、画もそれらしいものを選びました。
2017年07月05日22時30分
幻想的なお写真に、想像力を働かせましたが、私は魔女の飛行しか思い浮かびませんでした。月にしては数が多いし、魔女も複数いるのかな。 実は先ほど拝見した時には、お話はまだでした。想像力の差ですね。参りました。
2017年07月05日23時41分
旅鈴さん、 たしかに帚にまたがった魔女の飛行に見えます。 一旦そう見ると、そうとしか思えなくなりました。 魔女の夜間飛行の物語でもよかったですね。いやその方がファンタスティックだったかな。
2017年07月05日23時58分
yoshi.s
*つづき 風が来た。 その瞬間、アベリアの身体は宙に舞った。 そのとき何台もの車が、通りを走り抜けて行った。 行き交う車のライトに照らされた道は、様々な色の光が交錯する世界だった。 アベリアのはじめて見る光景だ。 風に乗って上下左右に揺れるアベリアには、風の噂に聞く、夜の空から眺める大都会の瞬きのようだった。 風は一生懸命に吹き続けた。アベリアの最初で最後の夜間飛行のために。 *おわり
2017年07月05日20時48分