遥か地中海の岸辺に自生するひな芥子。 真っ赤な花がゆるやかな丘を埋め尽くす光景は一見に価する。 ローマの時代から二千年の旅をしてこの日の出づる国にやってきた。 やわらかな紅い花びら。 少女たちが競い笑うように風に揺れる。 やがてその花びらを散らし、次のいのちをふんだんに孕んだ実を立てる。 1000粒の種を蓄えた実は、やがて自ら大地に落ち、芥子粒は風に乗ってまだ見ぬ地におもむく。 かくして地中海を彩った紅い乙女たちは、われらの住む大地にあふれる。

コメント4件

かいちゃんパパ（休憩中）

元は地中海だったのですか？

2017年05月04日17時09分

yoshi.s

かいちゃんパパさん ヨーロッパ、とくに地中海沿岸原産と調べました。 10年ほど前に南イタリアを旅しましたが、パパベリ（イタリア語のひなげし）の丘というのを見ました。丘一面に真っ赤なパパベリが咲いていて、その見事さに感嘆したことがあります。

2017年05月04日19時32分

michy

遥か地中海から来たひなげしがわれらの住む大地にあふれる。 とのことまた新しいことを学びました。 いつの間にかわが家の庭にもあふれています。 溢れすぎましたができるだけそっとしています。

2017年05月04日22時46分

yoshi.s

michyさん このきれいな花も、その繁殖力の強さにより、危険植物とされている地域もあるそうです。 過ぎたるは及ばざるがごとし。何ごとも調和が大切ですね。 お庭のお嬢さんたちと上手につき合って下さい。

2017年05月05日11時46分

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