TR3 PG@
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天生峠シリーズに戻ります。 白川郷よりR156からR360に入り、標高1200mほどまで一気に上がってきました。 その標高差約800m・・・。 ソウレ山1433mの中腹をぐるっと巻くと、不思議に平坦な土地が広がっています・・・。 かつて人が住んでいた雰囲気も・・・。 もうすぐ天生峠・・・そこは金沢市生まれの明治の文豪・泉鏡花の「高野聖」由縁の地です。 道ばたには昨晩降った雪と古い石像が・・・。
以下、「一分でわかる!あらすじ図書館」より。 若い修行僧の宗朝は、飛騨から信州への山越えをする際、ふもとの茶屋(たぶん今の白川郷ですね)で富山の薬売りに出合った。 その先の二股道で二人は道を別にしたが、宗朝は薬売りが行った道は危険で、いまや人の往来のない旧道だと知った。 そこで、仏の道に仕える宗朝は、見殺しにできず、その後を迫って旧道に入った。 急いで歩いていくと、蛇の群れに道を妨げられて、立ちすくみ、やっとの思いで難を逃れると、次はヒルが雨のように降ってきて、宗朝の血を吸った。 そんな恐ろしい目に遭い、疲れきった頃、宗朝はやっと一軒の家に着いた(この写真の場所付近、天生峠でしょう)。 そこには、この世の者とは思えぬ美しい女が住んでいた。 女は宗朝を泊めることを承知し、馬市に出す馬を連れて来た男に留守を頼むと、旅の汗を流すために谷川(写真で紹介した中滝、高滝のある谷川ですね)へと宗朝を案内した。 谷川に着くと「すっぽり裸体になってお洗いなさいまし、私が流して上げましょう」と言つて女が宗朝の脊を流してくれた。 いつの間にか、女は着物を脱いで、全裸になっていた。 川への往復の途中、蛙や大コウモリや猿が女にまとわりつく。 女はいたずらの過ぎる子供をあしらう母親のようであった。 家に帰ると留守を頼んでいた男が、馬市へ行くため馬小屋から馬を引き出していた。 宗朝を見て「もとの体で帰らっしゃったの」と不思議な事をいう。 その夜、宗朝は家の周りを鳥や獣が二十も三十も取り囲んで、鳴いているような異様な気配を感じた。 そして、その気配のうごめくのに応えるかのように、女がうなされる声が聞こえてくる。 宗朝が一心不乱に陀羅尼経を唱えるとやがて気配は静まり、女もうなされなくなる。 翌朝、宗朝は一夜の礼を言ってその家を発ったが、女の妖艶さが忘れられず、引き返して女と一緒に暮らすことを考えていた。 しかし、そこへ昨日馬を連れて行った男と出会う、昨日連れていった馬は、女の魔力によって姿を変えられた薬売りの男であり、女にまとわりついた動物たちは、女にもてあそぱれた男たちの成れの果てであると教えてくれた。 それを聞いた宗朝は、ぴっくりして一目散に里へ下りていった。 いかがでしょうか・・・この物語を読んで、この写真を見ると・・・・・ ちなみに、この高野聖は二度映画化されています。
2012年11月19日20時51分
全部楽しく読みました。何とも面白くもあり、おぞましさをも感じる物語ですね。人間の欲望を表現したのでしょうか。しかし単なる欲望に負けては、修行にはなりませんよと云っているかのようですね。この作品を見えて読ませて頂くと、益々引き込まれそうです。
2012年11月19日22時15分
おはようございます 長~なんて思いましたが、直ぐに読んじゃいました(^^) 怖いようなお話ですが、教えにはもってこいな気がします。 「欲」をどう考えるか?そんな感覚を覚えるお話ですね。 そうして作品を見ると、違って見えてきました。 想いの詰まった場所に訪れたのですね(^^)
2012年11月20日03時11分
hattoさん ま〜坊さん N.S.F.C.20さん 宮爺さん キンボウさん おおねここねこさん hisaboさん みなさん、コメント頂きありがとうございます。 まともにレスを返せない状況が続いていますので、まとめてのレスとさせて頂きます。 すみません(^^ゞ 長々とした書き込みにお付き合い頂きありがとうございました_(_^_)_ 高野聖は小説なので真実ではないでしょうが、そんな雰囲気を持つ場所であることは間違いありません。 はっきり知らないのですが、確かに昔はこの峠も重要な要所だったようですし、集落があったようにも見えます。 そんなことを思いつつ、このお地蔵様を撮っていました。 綺麗な人には気をつけましょう(^_^;
2012年12月16日14時29分
まこにゃんさん、コメントありがとうございます。 年内にレスをと思っていたのですが、年明けとなってしまいました(^^;ゞ 明けましておめでとうございます。 今年もよろしくお願いします。 いやいやご謙遜を!
2013年01月01日10時49分
TR3 PG@
さて、ちょっと長くなりますが、泉鏡花の「高野聖」について一語り・・・お時間のある方は是非お付き合いください。 先ず、「高野聖(こうやひじり)」とは・・・。 日本の中世において、高野山から諸地方に出向き、勧進と呼ばれる募金のために勧化、唱導、納骨などを行った僧のことです。 高野山というと真言宗ですが、その教義は浄土教に近く、念仏を中心とした独特のものでした。 平安時代に発生し、高野山における僧侶の中でも最下層に位置付けられ、一般に行商人を兼ねていたようです。 学侶方、行人方とともに高野山の一勢力となり、諸国に高野信仰を広め、連歌を催すなど文芸活動を行い民衆に親しまれましたが、一部においては俗悪化し、「夜道怪(宿借)」とも呼ばれ、「高野聖に宿貸すな 娘とられて恥かくな」という俗謡もあったようです。 さて、泉鏡花の「高野聖」ですが、その物語のあらすじを簡単に述べると、ある僧が飛騨の山奥にある一軒家で神秘的な美女と出会い、一晩を過ごしながら何もせずに別れるが、のちにその美女は床を共にした男を動物に変えてしまう妖女であると知らされる、という話でです。 もう少し、詳しく・・・
2012年11月19日20時39分