きこりん
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色々考えた結果、外に大鍋を持っていき、風が吹くタイミングで上から大鍋に麦を落下させる。 なかなかタイミングよく風が吹かないので、段ボールの切れ端で、落下させながら仰ぐと、ほぼ100%のもみ殻を取り除くことができ、その量は丁度1キログラムあった。 さて今度は製粉だが、電動コーヒーミルがあるので、当初はこれで製粉しようと思っていた。 しかし、電動コーヒーミルでは製粉中に発熱してしまうため、すり鉢を試してみた。 すり鉢も悪くはないが、労力の割には効率が悪い。 本当は石臼で挽きたいところだが石臼がないので、作ることにした。 石を加工するのはさすがに難しいので、裏山から採取して寝かせておいた「三笠土」で工作し、1230度で12時間焼き上げる。 見た目はともかく、上を重たく作ったので、力をかけなくても、上の重さだけで擂り潰されていく。 1回だけでは粉にならないので、数回入れて回すとパンを作れるほどに細かいパウダーになってくれる。 これでできた粉は全粒粉で、茶色い表皮(ふすま)が大量に混ざるが、この表皮は栄養価が高く、食物繊維も豊富で、プチプチとした食感が癖になる。 さっそく、これまで作っていた角食の強力粉の1/3を全粒粉に置き換えてパンを焼いてみる。 100%全粒粉でもいいのだが、全部で1キログラムしかないので勿体ない。 この中から種麦を選り分けることもあるし、100%全粒粉でのパンは膨らみが少なく、ドイツパンのようなずっしりしたものになるので今回はやめておいた。 次に作るのはカンパーニュかバゲットとハード系のものにしようと思う。 パンは思った以上に発酵し、ケースの中でパンパンに膨らみ、250度で30分焼いた後、アルミホイルを被せて更に30分焼いたので、ケースにしっかり焦げ付いて取り外すのに苦労した。 中はもっちりふわふわ、外はガリッガリで、噛むほどに甘みと旨味が口の中に広がる。 これはヤバイ! やめられなくなる。 止まらなくなる。 来年は麦畑のスペースを広げて10キログラム収穫を目指そうかな・・・ それにしても、陶芸の窯が直ったこともあり、とにかく最近はパンを捏ねたり、土を揉んだり、ろくろを引いたりと腕を使っているので、肩こりが再発し、腕もテニス肘のように痛く、時々力が入らなくなる。
2020年08月16日16時24分
素晴らしいです!粉や酵母から自家製とは拘りですね。 脱穀や粉を引くなんて気が遠くなる作業です笑 そうして焼き上がったパンは 本当に感動の美味しさでしょう! 普通にパンを焼くのは私もかなり凝って、ハイジのパンや フランスパンやライ麦パン、フォカッチャ、エピなど 色々北海道道産の粉を変えたりして固さも試してみました。 中がふわふわ外がカリッとって最高ですね。 私は美味しいパンを食べる事以前にその作業工程が楽しかったように思います。飽きる程やり尽くして今はもうパン作りはやってませんが、いい想い出です。 きこりんさんの拘りと素晴らしい挑戦には敬服致しました。 また 次の挑戦もあるんですね。楽しみですね!
2020年09月16日07時05分
きこりん
自家製小麦でパンを焼く 事件は、2019年11月に「春よ恋」の種を手に入れたことに始まった。 唐突に、「自分で小麦を育ててパンを作ろう!」と思ってしまったのだ。 ここ数年、手ごねでパンを作っていたのだが、裏山で採取した山ブドウで天然酵母を作り、それを使ってパンを焼いたのがきっかけとなり、そもそもの小麦粉を含めて、100%自家製というのもやってみたくなったのだ。 北海道の11月ともなると、初雪予想をし始めるほど、いつ雪が降ってもおかしくないほど冷え込みが厳しくなるのだが、「麦は秋撒きして越冬させる方が丈夫になる」という先人の教えもあり、無理やり11月中旬に種を撒いてみた。 ジャガイモを収穫した後の、縦2m x 横2mの畑を耕し、8っつの畝を作り、10~15㎝間隔に種麦を撒いた。 種麦は、前日から24時間吸水させたもので、1ヶ所に3~5粒を撒いて、野鳥に見つからない程度に薄く土を被せる。 2日もすると発芽するものの、根から先に伸びるので、土から緑色の芽が伸びてきて生存確認ができるまで1週間ほどはかかる。 そろそろ芽が出てくるかなぁ・・・と思った頃に根雪にならない初雪が降り、数日後の雪が解けたころに新芽を確認できたが、すぐに大量の雪が降り根雪になってしまった。 年が明け2020年の4月に畑の雪が解けたが、麦の芽は出ていなかった。 畝をほじくり返してみると、昨年撒いた麦から根だけがわずかに伸びていた。 このままでは心もとないので、改めて麦を撒きなおした。 更に、別の場所も、縦2m x 横2mの畑を耕し、8っつの畝を作り、10~15㎝間隔に種麦を撒いた。 これは、ほとんど手入れしていなかった場所で、堆肥も入っていないので、後から化成肥料を少し撒いておいた。 数日後、どちらの畑からも麦が芽生えた。 その後、麦踏みをして以降は収穫まで放置しておいた。 8月3日に収穫してみると半分近くが雑草だった。 収穫した麦は軽く束ねて玄関の壁にぶら下げて干した。 5日も干すと、まだ青かった穂も黄金色へと変わったので8月12日に脱穀した。 脱穀機があるわけでもないし、唐箕があるわけでもないので、ここからは万事手作業となる。 まず、麦を穂から外すために、1本1本をフォークでしごいていくが、半分ぐらいは穂が切れてしまう。 次に脱穀だが、まずは、ひたすら掌で揉んでみる。 始めは軍手を履いてみたが、もみ殻が刺さって手が痛くなってきたので、軍手を脱いで素手で揉んでみる。 意外にも、素手の方が痛くないし、もみ殻もよく取れる。 それでもまだ脱穀しきれていないものが多いので、「巨人の星」で1升瓶を使って精米していたのを思い出し、縦長の鍋(寸胴)に麦を入れ、裏山から太さ5㎝ほどの木の枝を切ってきて、それでひたすら突き続ける。 あまり強く突くと麦が割れてしまうし、優しすぎるとまったく脱穀できないので、微妙な力加減となる。 これでほぼ99%の脱穀ができ、次は、もみ殻と麦を選り分ける。
2020年08月16日11時44分