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*つづき 「やっと分かって来たようだな」。例の声がした。 声の方を向くと、水仙の花群の中に、スピリット、がいた。 「あ、また出た・・」。二人は同時に思った。しかし、邪魔されたという感じはなかった。写真を撮っている時にもこれと同じような一体感を求め続けて来た。だからスピリットに「それでよし」と言われているように思えて、嬉しかったのだ。 *下につづく
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*つづく 「これでいいのね」。凛子が言った。 「それでいいよ」。スピリットが答えた。 「そうか。写真を撮ることも、人と親しくなることも同じことなんだな」。「まず触れ合うことから始まり、そして少しずつ相手を知り、そして溶け合い、やがて一体感を得るようになることなんだ」。そう佳夫が言った。 「そうだ。自他の区別が薄れて行き、やがて自他一体となる。本質とは自分がありながら、同時に自他の区別が無いことだ。それを自覚することが土台となって初めて、今までのものではないものを生み出すこと、つまり『創造』が可能になる。君が言ったアートというものは、そういうものじゃないのか?」。スピリットが言った。 *つづく
2020年04月19日00時16分