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三日目の朝、佳夫が言った。 「凛子、コーヒーを飲もう。今日はぼくが淹れて来たんだ」。「コンビニのいつものコーヒーも充分うまいが、これは手製だ。ひと味違うぞ」。と言いながら佳夫はバッグからポットと紙コップを取り出し、コーヒーを注いで凛子に渡した。 「へえ、佳夫くん、自分でコーヒー淹れるんだ・・」。紙コップを受け取りながら、凛子が言った。 二人は散歩道の縁に並んで腰を下ろした。 カップからは、コンビニで買ういつものコーヒーのような香り高い匂いではなく、淡い素朴な匂いがした。 *下につづく
はなてふ コーヒーは、その多くがアラビカ種ですが、フランス植民地時代にベトナムに植えられたのはロブスタ種で、ベトナムコーヒーと言えばこれです。 香り味ともにアラビカ種が勝るというのが定説です。しかし、たしかに香りにおいてはベトナムコーヒーは劣りますが、その味には独特のものがあり、決してアラビカ種に劣るものではありませんね。
2020年03月28日20時47分
いずっちさん 嬉しいですねえ。 なんでもない菜の花の小さな群生ですが、眺めていると飽きないのです。 それが画では十分に出せないのが残念です。 昨日の放送を聞けなかったので、いま再放送を聞いていますよ。
2020年03月28日22時43分
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*つづき 「じゃ、乾杯!」 「乾杯!」 一口飲んだ凛子が驚いたように言った。「これ、美味しい!」 佳夫は嬉しそうに言った。「そうだろう?」 「うん。香りはそれほどでもなかったので、あんまり期待はしなかったの。だけどいざ飲んでみたら、柔らかなコクがあって、とってもまろやか」。「こんなコーヒー飲んだことがないわ」 「おお、そりゃあ大変なほめ言葉だ。うれしいね」 「これ、なんていうコーヒー?」 「名前は知らないが、ベトナムコーヒーだよ」。 「ベトナムコーヒーなんて知らなかったわ」 「ベトナムは、19世紀末からフランスの植民地だったので、フランス人がコーヒ―の栽培を始めたそうだ。だから淹れ方もフランス風が定着した。ミルクをたっぷり入れたやつだ。これはブラックだけどね」 「ふーん。そういうことを知って飲むと、またひと味違うわね」。「佳夫くんはどうしてベトナムコーヒーを知ったの?」 「カンボジアからの帰り道に、ベトナムのハノイに寄ったんだ。そこで飲んだコーヒーが美味しかったので、グラインド済みの粉コーヒーを買って来た。ドリップするだけで飲めるからね。ま、家で飲むには十分だ」 「ありがとう。今朝わざわざ用意してくれたのね」 「いつもコンビニじゃ芸がないからね」 *つづく
2020年03月28日09時56分