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春日暮薄紅色の肩二つ *つづき 「洞察の目か・・。それを深めるにはどうしたらいい?」。佳夫が聞いた。 「私が見えたのだ。もう道は開けている。自分で開いたのだ。そのまま自分の思うようにやればいい。また新たなものが見えてくる」。そう言ってスピリットが微笑むと、その姿が少し歪み、そしてぼやけ出した。 「いつもそばにいるよ」 そう言い残してスピリットは消えた。 佳夫と凛子は、茫然としてそこにいた。 ふと気がつくと、夕陽が山の端に差しかかっていた。 *下につづく
こんばんわ9からここまで一気に読ませていただきました。 あいかわらずyoshiさんワールド絶好調、読者も増えていますね。 ぼくもスピリッツ君は小さい男の子だと思うな 凛子さんの感は鋭いなぁ
2020年03月20日01時37分
annshii46さん 読んで下さいましたか。 今回は多少理屈っぽいので、お気に召されるかどうか・・。 でも自分の興味の周辺なのです。 おつき合い頂ければ幸いです。
2020年03月20日20時55分
yoshi.s
*つづき 「あの子また来るかしら?」。われに返ったように凛子がつぶやいた。 「あの子?」。佳夫が凛子の顔を見た。 「君はあれが、あの子、だと思うの?」 「ええ、可愛らしい男の子だったと思うわ。そんな話し振りだったもの」。「佳夫くんには、そう聞こえなかったの?」 「ぼくには・・。ぼくは・・、よく分からない」。「声の感じは、女性のようでもあり、男性のようでもあった。若いようでもあり、大人のようでもあった。でも子どもではなかった」。「初めは若い女性のように思ったんだが、そのうち大学の先生のようにも、齢を取ったお爺さんのようにも聞こえた」。「最後は、何だか友だちのような感じもした」 「ふ~ん。じゃあ、どんな風に見えていたの?」。「私には、生きている花の顔のように見えたわ。話す時に表情もあった。よく動いていたわ」 「ああ、それはぼくも同じだ」 「じゃ、いっしょね。ディズニー映画のキャラクターのような、ちょっとユーモラスな感じよね」 「え、そこはちょっと違うな。ぼくには、威厳のある、村の長老のような感じがしたよ。ほら、よく童話などに出てくる・・」 「えー、じゃあ、見た感じは同じようでも、受け止め方は全然違うのね」 「でも話した内容は同じよね。なぜかそこには確信があるの」 「ああ。それはぼくも同じだ。三人とも同じ会話をしていた。君とぼくは、おんなじ理解をしていた、と思う」 *つづく
2020年03月18日20時18分