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ライブラリーで、アメリカ精神の父と言われる Walt Whitmanの特別展をやっていた。とても嬉しかった。 なにかの力が働いているのかとすら思ったほどだ。 Whitmanは、それまでの詩の型に囚われない自由詩の父ともいわれる。
michyさん 草の葉をお持ちでしたか。うれしいなあ。 それもお父さまから譲り受けられたものとのこと。宝物ですね。 有島武郎訳。それも素晴らしい。 もしその中に、ブロードウェイの行進/ブロードウェイの華麗な行列(A Broadway Pageant) と言う詩を見つけられたら、ぜひお読み下さい。詩のタイトルになっているはずです。原文の版には、載っている版と載っていない版があります。有島武郎訳にあるかどうか。1971年版の訳ならあるはずです。 その詩は、日本からの遣米使節、武士たちが渡米して、ニューヨークのブロードウェイを行進したときのことを書いた詩なのです。
2019年06月05日09時58分
yoshi.sさま 残念ながら載っていませんでした。 なんと1934年 第一刷発行です。私の生まれた年でした‼ できれば1971年版の訳のを求めたいと思っています。 武士たちの渡米の様子もぜひ知りたくなりました。 この詩集は難しくて読むのに四苦八苦です。
2019年06月05日17時27分
michyさん 有島訳には載っていませんでしたか。 載っている原版は、1971年版ではなく、1871年版(原書)の間違いでした。ご容赦。 いずれにしても、有島訳に無いことが分かればそれで結構です。 もしかしたら、有島は、1871年版の後に発行されたものを訳したのかもしれません。 有島にとっては残念でした。もしこのブロードウェイの行進を読んでいたら、欣喜雀躍したに違いありません。お父さまも残念でした。 載っていることが確認されているのは、同じく岩波文庫『新訳・草の葉』上中下、1998年発行の杉本・鍋島・酒本訳です。 こちらは新訳ですから読みやすいと思います。ご参考まで。 なお、A Broadway Pageantは、こう始まります。日本語訳で・・。 西の洋をわたって、ニフォン国より此方(こなた)へとやってきた、礼儀ただしい、頬の浅黒い、二刀差(にほんざし)の使節たち。 幌をおろしたバルーシュ型馬車に、背筋を立てて、帽子も被らず、厳粛に 、今日、マンハッタンの道を行く。 また別訳として、 西方の海を越えて此方へ、日本から渡米した謙虚にして、色浅黒く、両刀を差した使節たちは 無帽にして臆せず、無蓋の四輪車に反りかえり、今日、マンハッタンの街を行く 言葉の巣窟、詩賦(しふ)を伝えた人、往古の民族が来た 芳香馥郁(ふくいく)として、寛(ゆる)やかに流れる衣装の、日に焦(や)けた容貌(ようぼう)の不屈の魂の炯々(けいけい)たる眼光の婆羅摩(ブラーマ)の民族がやってきた どうです?嬉しくなるでしょう。アメリカ人の心の父、ホイットマンが書いたのですよ。
2019年06月05日18時10分
ジョニー森永さん 上記、michyさんへの返コメにも書いた通り、草の葉に収められたA Broadway Pageantの原書を見たかったのですが、見つけることができませんでした。 でも、Whitmanの概観を一望することができて幸せでした。
2019年06月05日20時46分
A Broadway Pageant の日本語訳を有難うございました。 想像しただけで心躍る情景です。自分の本として手にしてぜひぜひ読んでみたいです。 1998年発行の上中下の文庫本を早速探してみます。 なかったら注文します。わくわくしてきました。ありがとうございました。
2019年06月05日21時20分
ありがとうございます。と言っても残り少ない人生とは常に思っています。 午前中本屋さんで聞いて見ましたら、現在、岩波文庫に在庫がなく重版も未定とのことがっかりしました。 店員さんが今年復刻した「草の葉」があると持ってきてくれたのが、私の持っている1934年版のものでした。『2019年春のリクエスト復刊』と書かれていました。だから1998年版をリクエストしておきました。元気で読める間に復刊されるよう願っています。 当時の武士たちの堂々とした立派な態度が、アメリカの人々に深い感銘与えた事を誇りに思います。この心意気はこれからも続くものと思っています。
2019年06月06日14時38分
michyさん それならば、出典を記録していませんが、A Broadway Pageantの日本語訳があります。 ご参考まで。 「ブロードウェイのページェント」 -W・ホイットマン詩集『草の葉』 より 西の洋をわたって、ニフォン国より此方(こなた)へとやってきた、礼儀ただしい、頬の浅黒い、二刀差(にほんざし)の使節たち。 幌をおろしたバルーシュ型馬車に、背筋を立てて、帽子も被らず、厳粛に 、今日、マンハッタンの道を行く。 《自由(リベルタード)》よ! わが目にとらえているものを、他の人も目にしているか、それはわからないけれど、ニフォン国の諸侯らの行列をお供する使者たちが、あるいは しんがりを引率し、上側から、周りからまとわりつき、隊伍を編成つつ、行進してゆく。 けれど何にしろ、私は私の目にするものを歌うんだ、《自由(リベルタード)》よ。 百万の足でマンハッタン[の衆]が、囲いから放たれて鋪道に舞いおりるとき 雷鳴はじけるような砲声が、私の愛するその轟音で私を奮い立たせるとき、 丸筒の砲口が、私の愛する硝煙の匂いのなかから、敬礼[の砲を]火吹くとき、 閃く大砲が、私の全注意をむけさせ、そして空の雲がやってきて 私の都市(まち)を(きゃしゃ)な薄い霞で覆うとき、無数のまっすぐな《茎》、波止場の森が素敵に 色濃く染まるとき、豪華に飾られたどの船も、てっぺんに旗を掲げたとき、 三角旗が尾をたなびかせ、《花づな飾り(フェストゥーン)》が窓から往来に 吊るし掛けられて、ブロードウェイ通りのことごとくが、徒歩の《往来人(ゆききするひと)》や徒歩の《佇立者(たちどまるひと)》たちに占拠されて、人ごみのもっとも密集しているとき、家の正面が、人間でわきかえっているとき、いちどに何万もの目が、取りつかれたように目を凝らすとき、 かの列島からの主賓たちが前進し、ページェントの行列の進行が 目にみえるとき、 そして召集がなされ、幾千年[幾星霜]のときを待ちつづけた答えが 答えられるとき、私もまた立ちあがり、そして答え、鋪道に舞い降りて群集にいり混じり、 彼らとともに目を凝らす。
2019年06月06日21時35分
2 素晴らしい顔したマンハッタン! 同胞たる《Americanos(アメリカーノーズ)》よ!我らにようやくして東洋(オリエント)が訪れた。 我らに。我らの都市(まち)に。 頂(いただき)の高い、我らが大理石や鉄の美女たちが、左右にのきならぶその狭間を歩みゆくために、我らの対蹐地(たいせきち)に棲まうかれらは、今日やってきた。 《発祥の女神(オリジナトレス)》は来たり。 言語の揺りかご、詩歌の恩寵者、古(いにしえ)の民族 血色の紅潮した、思慮深い、夢想に耽った、情熱で 熱くなった、香を焚きこませた、幅広のたなびく衣装をした、 日灼けた顔で、精神を集中させた、眼光爛々とした ブラフマ神の民族が来る。 ご覧あれ、我が カンタービレ註5を!これらや、さらにもっとあれこれのものが、 行列から我らのほうに向かって、きら光りしている。 姿をかえながら動きつつ、神聖なる万華鏡のように、それは我らの目前で、 変貌しつつ動いている。 使節たちや、同じ島国の日灼けた日本人たちのみの ためならず、 軽やかに、音すら立てずにヒンズー教徒が現れる。アジア大陸 そのものが現れる。 過去が、死者たちが、どんよりとした不可思議な《夜朝》、不可解なる寓話、包まれた神秘、太古の知られざる《巣蜂》、 北方の地、灼熱の南部、アッシリアの東部、ヘブライ民族、 古代のなかの古代、広大な閑散とした都市、滑りゆく現在、これらすべてや、さらに もっとほかのものが、このページェントの行列にはある。 地理や世界がそこにはある。 海洋と、列島と、ポリネシア、そして 向こう側の沿岸 君がこれから面と向かう沿岸- 君、《自由(リベルタード)》よ! 君の西欧の金色の海岸から、そこの国々が、その人口をたずさえて、何百人もがこぞって 興味津々にやってきている。 人であふれかえる市場、偶像をおさめた寺院が 道沿いや、終点に仏僧(ボンズ)、バラモン僧、ラマ僧、清朝の官吏マンダリン、農夫、商人、機械工、漁師、歌い手の娘や、踊り手の娘や、歓喜の絶頂の人々や、 隠棲の天皇や、孔子そのひとや、偉大なる詩人たち、英雄たちや、武人や、 カースト制度の各階級すべてが編隊をくみ、四方から、アルタイ 山脈から、チベットから、中国の曲がりくねった、長距離を流れる四大河から、南方の半島や、亜大陸的な島々から、マレーシアから、 これらや、これらに属するすべてのもの、明らかなものが私の前に 見世物としてつき出され、私によって捉えられ、 私もこれらに捉えられ、親しく捕まえられ、かれらがまるで皆ここにいるようであるような、そんなときまで、そして 私は、彼らのために、そして貴公らのために、《自由(リベルタード)》!を唱える。 なぜに、私もまた声をはりあげてページェントの群に入り雑じる。 私は《唱える者》であり、ページェントにむかって声高に唱える。 西洋の海の、私の世界を唱える。 空の星屑のように密な、向こうはての島々を 存分に唱える。 かつてなく偉大な新帝国を唱える、それは幻想のように 私には見えてくる。 私は、アメリカという婦人を唱える。私はより偉大なる覇権をして唱える。 私は想像をたくましくさせて、千もの栄える都市を唱える。だが、 やがて時経てば、これら海の島々では、列島のあいまを縫ってゆく、私のあの帆船や蒸気船があり、 船には風にたなびく私の星条旗があり、 商いが始まり、時代の眠りがその効果を奏して、 あらゆる人種も精気をとりもどして生まれ変わり、人々は、仕事を再開し-その目的は私は知らないが- 古いアジア人らは、そうなるべくして改新する、今日より世界に囲まれて。
2019年06月06日21時37分
3 そして君、世界[に誇れる]《自由(リベルタード)》よ! 君たちは中枢にすえおかれた、かっこうな場所にこれから何千年も 居続けるだろう、 今日は、片側からアジアの諸侯たちがやってきて、 明日は、その対極からイギリスの女王がその嫡子を遣わせて、標識は向きをかえる、球儀は一巡され、 環は一周され、旅はおわりとなる。 目にみえて箱のふたはあけられ、香水は、それこそ箱じゅうから ふんだんにあふれかえる。 若き《自由(リベルタード)》よ! 尊厳なるアジア、すべての母、にたいしては、いまなおいっそう気をつかえ、熱気ある《自由(リベルタード)》よ。 なぜならばお前がすべてだから。 列島をめぐりこえ、おまえにメッセージをおくる、 遠方の母にむけて、お前の誇らしげな首をかしずかせてみたまえ。 せめて一度、お前の誇らしげな首をかしずかせてみたまえ、若き《自由(リベルタード)》よ。 子らは、こんなにも長く、西方へ散らばっていたのか? 足踏みをしながら? 以前の暗黒の時代は、こんなにも長く、西方へと、楽園から堕落を しつづけてきたのか? この何世紀ものあいだは、そんなふうに着実に歩んでこられたのか? 知らざれるままずっと?それは君のためにか、理由のゆえにか? かれらは正義にのっとった人らである。かれらは業績をほこる。かれらはいまより 他方に向かって君たちの方へ旅立つだろう。 またかれらは従順に、東の方向を君らのために行進してゆくことだろう、 《自由(リベルタード)》よ。
2019年06月06日21時37分
大変申し訳ないことしていました。 書いたままにしていましたのに、長い「ブロードウェイのページェント」を 全文書いて頂いていたとは、今頃になって気づきました。 なんとなくW.ホイットマンの事が気になってここへお邪魔してみて気付きました。 文章も長いのでワードに全文をコピーして印刷し一度読ませて頂きました。 でもやはり難しいですね。これからじっくり読ませて頂きます。 ほんとうにお心にかけて頂いていましたのに失礼してしまいました。 ごめんなさい。
2019年07月02日20時00分
言葉遣いは難しいですが、内容はよくわかりました。 日本からだけではなくアジアの各国からの使者達も参加しての豪華なページェントだったようですね。 それなのに特に日本の使者に対してだけ特別な敬意を払ってくれたということは、 それに値する尊厳さを持った使者の方々だったのでしょうね。心から嬉しく誇れます。 全文を読ませて頂き有難うございました。大切にします。
2019年07月02日21時06分
michyさん 訳者は、リベルタードを、自由、と訳していますが、これは自由人(つまりアメリカ人を指す)と訳すべきです。 長い歴史を持つ東洋人に畏敬の念を抱きつつ、自由人であるアメリカの同胞に、がんばろう!と、檄を飛ばした詩であると解釈すべきでしょう。 よくお読み下さいました。ありがとうございます。
2019年09月10日14時15分
michy
Walt Whitmanとお聞きしてふと思い出して、本箱を探しました。 古い古い文庫本でホイットマン詩集「草の葉」が見つかりました。 旧仮名遣い、旧漢字の有島武郎訳です。 父から譲り受けたもので自分では読んでいません。 これを機会に読みたいと思っています。でも難しいです。
2019年06月04日16時04分