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    きこりん

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    夏には麦畑が広がる石狩平野だが、冬になると積雪の多いこの地域では全てが雪の中に埋もれてしまう。 石狩湾から吹き込むロシアからの風は、遮るもののない石狩の大地を3カ月もの間凍て着かせる。 150年前に蝦夷地開拓民がこの地へ降り立った時、低灌木と笹に覆われ、容易く受け入れてはくれなかった。 鋤や鍬、時には馬を使って耕作を始めるも、土は酸性化して酸っぱく、水はけも悪かった。 暗渠を作って水を逃がしてもまだ、撒いた種は双葉で枯れてしまう。 それでも挫けず、何年もかけて土壌を改良し、ようやく作物が育つ豊かな農耕地へと作り変えた。 しかし、容赦なく吹き付ける強風は石狩湾の塩分を含み、農作物への被害を齎した。 そこで、風を受け止めるための防風林を、広大な平原に幾重にも張り巡らせ、風の進路を遮った。 とはいえ、台風並みの風にはそんなものではとても太刀打ちできはしないが、それでも無いよりはましだった。 質の良い水だけは豊富にあったので水田を作ったが、近代になると減反政策により稲作を放棄させられた。 それでも、いつかまた稲作ができる日を待ちつつ、大麦、小麦、燕麦などに切り替えたが、安定収入を考え一部を牧草にした。 ふと気付くと、蝦夷地から北海道となって150年も経っていた。 今はトラクターで耕し、トラクターで種を撒く。 早春には、トラクターで融雪剤となるカーボンを撒き、一日でも早く雪を解かす。 カーボンはそのままアルカリ性の土壌改良剤となり、アルカリ性の肥料となる。 雪が完全に解ける春になるまで、カーボンの撒かれた雪原にはトラクターの轍が神経質に残り、150年の北海道の営みを防風林が静観している。 夏にはまた、青々と麦が茂り、秋には一面が黄金色に染まる。

    2019年03月11日11時55分

    GX400sp

    GX400sp

    ごく近年まで開拓が続いていたという話を本などで読むたびに 北海道は面白いなとよく思っていました。先人たちのご苦労が あったという事なんですよね、今の風景の中に。

    2019年03月18日00時21分

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