ホーム きこりん 写真一覧 暦の上ではもう春なのに きこりん ファン登録 ユーザートップ 写真一覧 ギャラリー お気に入り ファン ファンになっているユーザーの写真 ファンになっている ファンになってくれている 暦の上ではもう春なのに お気に入り登録162 4001件 D E 2019年02月20日00時51分 J B
コメント1件 きこりん 今週に入ってから僅かに気温が上がり始め、降り積もった雪の根も緩み始めた。 屋根の上に降り積もった雪の重さで室内の襖が開かなくなっていたので、部分的に雪を降ろした。 襖が開くようになればヨシだったので、ほんの一部分しか降ろしていないのもかかわらず、屋根の下にはもうすぐ屋根に届きそうなほどの雪山ができた。 夜になると、ほぼ日課となりつつある野生のキタキツネ「Tsuki」との遊びが始まるわけだが、昨日まで無かった雪山を見上げてTsukiも考え深げにしていた。 暦の上ではもう春なのに・・・ いつものようにTsukiと遊びながら、ふと懐かしい唄がよみがえってくる。 もう40年以上も前なのに、今でも歌詞があふれ出てくる。 ボタンダウンのシャツすら着ることの無い現代っ子のTsukiには言葉の意味すら理解できないことだろう。 そんなことを考えながらTsukiを見ていると思わず笑えてくる。 遊びを小休止し屈んでいると、Tsukiも目の前に座り込む。 手を伸ばしてTsukiの前に差し出すと噛んでこようとする。 噛まれないようにと差し出した手を左右にゆっくりと振ると、飼い猫や飼い犬と同じように、手の動きに合わせてTsukiが顔を振る。 Tsukiの目はすっかり私の手に釘付けになっている。 しばらく続けていると、さすがのTsukiも苛ついてきたのか「クゥークゥー」と、犬ほどではない、息の混じった小さな声を出し始めた。 あまり苛つかせても可哀想なので、不意に立ち上がって走ってみると、Tsukiも慌てて追いかけてくる。 またいつもの追いかけっこが始まった。 このまま夜が明けるまで遊ぼうか? 夜の過疎地に春の雪が舞い落ちてくる。 桜の花びらのように静かに・・・ 私が立ち止まるとTsukiも立ち止まる。 「また明日ね」手を振る私をTsukiはいつまでも見送っている。 じっとして動かずにいるTsukiの姿が雪に埋もれて消えていく・・・ また明日・・・ 2019年02月20日02時28分 新規登録・ログインしてコメントを書き込む コメントを書き込む 同じタグが設定されたきこりんさんの作品 最近お気に入り登録したユーザー Chasamaru ファン登録 松中 悠平 ファン登録 幸村紀吉 ファン登録 te tzui ファン登録 砂の浜 ファン登録 チ ャ ビ ィ ファン登録 うめつなこんぶ ファン登録 tashimo ファン登録
きこりん
今週に入ってから僅かに気温が上がり始め、降り積もった雪の根も緩み始めた。 屋根の上に降り積もった雪の重さで室内の襖が開かなくなっていたので、部分的に雪を降ろした。 襖が開くようになればヨシだったので、ほんの一部分しか降ろしていないのもかかわらず、屋根の下にはもうすぐ屋根に届きそうなほどの雪山ができた。 夜になると、ほぼ日課となりつつある野生のキタキツネ「Tsuki」との遊びが始まるわけだが、昨日まで無かった雪山を見上げてTsukiも考え深げにしていた。 暦の上ではもう春なのに・・・ いつものようにTsukiと遊びながら、ふと懐かしい唄がよみがえってくる。 もう40年以上も前なのに、今でも歌詞があふれ出てくる。 ボタンダウンのシャツすら着ることの無い現代っ子のTsukiには言葉の意味すら理解できないことだろう。 そんなことを考えながらTsukiを見ていると思わず笑えてくる。 遊びを小休止し屈んでいると、Tsukiも目の前に座り込む。 手を伸ばしてTsukiの前に差し出すと噛んでこようとする。 噛まれないようにと差し出した手を左右にゆっくりと振ると、飼い猫や飼い犬と同じように、手の動きに合わせてTsukiが顔を振る。 Tsukiの目はすっかり私の手に釘付けになっている。 しばらく続けていると、さすがのTsukiも苛ついてきたのか「クゥークゥー」と、犬ほどではない、息の混じった小さな声を出し始めた。 あまり苛つかせても可哀想なので、不意に立ち上がって走ってみると、Tsukiも慌てて追いかけてくる。 またいつもの追いかけっこが始まった。 このまま夜が明けるまで遊ぼうか? 夜の過疎地に春の雪が舞い落ちてくる。 桜の花びらのように静かに・・・ 私が立ち止まるとTsukiも立ち止まる。 「また明日ね」手を振る私をTsukiはいつまでも見送っている。 じっとして動かずにいるTsukiの姿が雪に埋もれて消えていく・・・ また明日・・・
2019年02月20日02時28分