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ようようとこぶし笑みけり薄曇り *旅鈴さんの掌編接心跡(修行跡)があります。
理沙の見た夢 お隣のこぶしの木に 今年もたくさん花が咲いています。 理沙の部屋の窓から よく見えます。 彼女は朝から 退屈していました。 もう熱は下がったのに、お母さんは、まだ起きちゃ駄目、と言って 食事も部屋へ持ってきました。 漫画も読み飽きたし、テレビも見たくないし、ゲームもしたくない。 なんか面白いことないかな、 と思って窓際へ行ったら、こぶしが目につきました。 へえ、白い鳥みたい、鳩かな、鳩がいっぱい木に止まってる。 いいなあ、鳥は空を飛べて。 私も空を飛びたいなあ。 その夜、 理沙は夢を見ました。 自分も白い鳩になって、他の鳩達と一緒に 輪を描いて飛んでいました。 こぶしの木に止まって一休みしていると、さっと強い風が吹いてきて、 こぶしの白い鳩たちは、ばさばさと落ちてしまいました。 みんな、どうして飛ばないの。 理沙の声も空しく、次から次と重なり合って、理沙の体の上に落ちてきました。 苦しいよ、助けて。 ぱっと部屋が明るくなって、お母さんが心配そうに覗き込んでいました。 やっぱり又熱が出たみたいね、 こんなにうなされて。 ねえ、お母さん、強い風が吹いた? いいえ、風なんか吹かないわよ。 じゃ、こぶしの花は大丈夫? なあに、お隣のこぶしのこと? まだ綺麗に咲いているわよ。 じゃあ、よかった、あれは夢だったんだ。 お薬を飲んだ後、理沙は安心して眠れました。
2018年04月11日11時25分
yoshi.s様、 少し変えました。 これでは、いかがでしょう。 近頃の女性は、大胆ですね。 それに比べたら男の子は、可愛いものですね。 ウインクひとつで、驚いて。 でもこのままでは終わりませんよね、きっと。 仕事先か、バーか展覧会か、どこかで再会するような気がします。 再会、の構想、もう練っておられるのでは?
2018年04月11日11時26分
旅鈴さん こぶしの花が鳩になる発想は面白いですね。 発想が湧けば物語は生まれるのですよね。 いかがでしょう、とのお尋ねですから私見を少々。 私の好みから言えば、理沙は夢を見ました、と言わずに、いつの間にか理沙は白い鳥になって・・、と続いた方が、夢なのか、幻覚なのか、読み手のアソビが広がると思います。(説明の省略) さらに、理沙は鳩の一員なのですから、鳩が自分の上に落ちて来るのではなく、自分も落ちるか、他の鳩たちが落ちるのを見ているかしなければなりません。もし落ちて行くなら、その途中でわーっと叫んで目が覚める方がつじつまが合います。(論理性) またさらに、鳩が落ちて行くイメージがどこかにつながる方がいいですね。たとえば窓の外のこぶしが一輪を残してぜんぶ落ちていて、その代わりに理沙は元気になっていた、とか、落ちて行った鳩たちが地面すれすれで急上昇をし、空に羽ばたいて行った。理沙はびっしょり汗をかいていたが元気になった、とかです。(夢の暗示生) 面白いので、いろいろと筋立てを考えてみました。お気に触ったらお許し下さい。 私の話の方は・・、まあ考えてみましょう。
2018年04月11日13時27分
理沙再び お隣のこぶしの木に 今年もたくさん花が咲いています。 理沙の部屋の窓からよく見えます。 彼女は朝から退屈していました。 もう熱は下がったのに、お母さんは、まだ起きちゃ駄目、と言って 食事を部屋に持ってきました。 漫画も読み飽きたし、テレビも見たくないし、ゲームもしたくない。 皆まだ学校だから、電話もできないし。 窓際へ行くと、お隣のこぶしが目につきました。 かなり咲いていて、今が満開なのかもしれません。 まあ、白い鳥みたい、鳩かな、鳩がいっぱい木に止まってる。 鳩は今にも飛び立ちそうに見えました。 いいなあ、鳥は空を飛べて。いろんな所へ行けて、いろんな物を見られるのでしょう。 私も飛んでみたいなあ。 ククルクルー、可愛い声がしてふと見ると窓の外に一羽の白い鳩がいました。 あら、可愛い鳩さん、一緒に遊びたいけど、私 病気なの、ごめんね。 ククルクルー、ククルクルーいつの間にかたくさんの鳩が窓の外にいました。 ちょっとだけ、遊んでもいいかな、ちょっと待って窓を開けるから。 理沙が窓を開けると 鳩たちは一斉に中に入ってきて、 理沙の体を持ち上げて外へと飛び出しました。 白い鳩たちのふわふわの雲の上に乗って、理沙は今、空を飛んでいます。 町のはずれの養魚池の上を通るとき、太陽が水面に映ってきらきらしていました。 学校の上を飛んだときは、まだ授業中で、校庭には誰もいませんでした。 菜の花畑はまっ黄色い絨毯のようで、匂いが空まで香っていました。 赤い車体の電車が今丁度、駅に停まろうとしています。 駅前のスーパーは今日は大売出しで、幟がはためいていました。 そのうち急に太陽が翳り、風が強くなってきました。 ぱらぱらっとひょうが降ってきて、顔や体に当たって、痛いほどでした。 鳩の雲はひょうに打たれて、ぼろぼろにこわれました。 理沙は空中に放り出され、どんどん落ちていきます。 わ~、助けて、お母さ~ん。 思わず大きな声で叫んでいました。 「まあまあ、理沙ったら、こんな所でうたたねして。 風邪をぶりかえすわよ。」 お母さんが窓際で眠っていた理沙を揺り起こしました。 窓の外を見た理沙は、こぶしの花が散ってしまっているのに気がつきました。 お母さんに聞くと、さっき、ひょうが降って花が落ちたのだそうです。 もし私が空を飛ばなかったら、こぶしは散らなかったのだろうか、と 理沙は申し訳なく思いました。 でも理沙はこの冒険を誰にも話していません。
2018年04月12日05時12分
yoshi.s様、 再度の挑戦です。 ご指摘いただいたことは、気に障るどころか、とてもありがたく光栄に思っています。 私の場合、プロットは思い浮かんでも、詳細部分で詰めが甘いのです。 とても参考になりました。 こんな駄作なのに丁寧にご感想、ご批評をいただき、感謝しています。 理沙再びは理沙は鳩ではありません。鳩に乗せてもらったのです。 ひょうが降ったのは理沙のせいではありませんが、 彼女は悔いを心の底に秘めて、大人になるのでしょう。 こぶしに鳩を重ねたのは、昨年 ことだま様が 大空へ飛立とうとしているモクレンの花を投稿されたのがヒントです。 こぶしは白いから、白い鳩としました。 ククルクルーはパロマの歌で有名ですよね。 亡くなった恋人を想って、鳩になった男の物語り。 ここではこぶしが鳩に姿を変えました。
2018年04月12日05時36分
やりますねえ旅鈴さん。 ちょっとの修正ではなく、書き直し。根性が入っています。 そこまでやったのなら、もう一つ課題を。 この文章を半分に削ってみませんか。 鍛→練と来ましたから、最期の研磨です。 2/3まで(少なくとも1/3を削る)許容範囲です。
2018年04月12日13時39分
理沙三度(みたび) 理沙は朝から退屈していました。 熱は下がったのに、お母さんは、まだ起きちゃ駄目、と言うのです。 窓のカーテンを開けると、庭のこぶしが満開でした。 花びらを反らして、今にも飛び立ちそうな白い鳩みたいでした。 空を飛べたら楽しいだろうな、私も飛んでみたいな。 ククルクルーと声がしていつの間にかたくさんの白い鳩が窓辺に来ていました。 私たち、飛ぶのをお手伝いしますよ。窓を開けてちょうだい。 理沙が窓を開けると、鳩たちはあっという間に理沙を背中に乗せて飛んでいきました。 ふわふわ柔らかい鳩の雲の上に乗って空を飛び、理沙は大満足でした。 ところが、急に太陽が翳ったと思うと、ぱらぱらとヒョウが降ってきて、 鳩の雲はこわれ、理沙はどんどん落ちていきました。 おかあさ~ん、たすけて~! 「まあまあ、理沙ったら、こんな所でうたたねして。風邪をぶりかえすわよ。」 お母さんが窓際で眠っていた理沙を揺り起こしました。 窓の外を見た理沙は、こぶしの花が散ってしまっているのに気がつきました。 お母さんに聞くと、さっき、突然ヒョウが降ったのだそうです。 理沙はこの冒険を誰にも話していません。
2018年04月13日06時10分
以上、試みました。こぶしはお隣の木でなくてもよいし、 まんがやゲームをしたくないのは、退屈していた、で説明がつくでしょうし、 無駄な枝を切って、剪定したつもりですが。
2018年04月13日06時13分
旅鈴さん いいですね。 全体に切れが出ました。 1ヶ所だけ気になるところ。 『ふわふわ柔らかい鳩の雲の上に乗って空を飛び、理沙は・・』を、『ふわふわの雲のような鳩たちの背に乗って、理沙は・・』としたいですね。 はじめ、鳩の雲の意味が分からなかったからです。意味が分かり、慣れてしまえばもういいのですが、読者としては気になるところがあるとその後の文章が頭によく入って来ないのです。 なお、空を飛び、は削った方が語呂がよくなります。 そして『理沙は大満足でした。』のあとに、空から眺めた景色の描写が一行入ると良いと思います。 あとは素晴らしい。全体の展開が明瞭です。 最期になって、ああ夢だったのか、と思わせます。 さらに、夢の中のできごとだったはずのヒョウが、本当にもあったのだという不思議感に包まれてお話が終わります。見事な幕切れです。 最期の一行、理沙は・・誰にも話していません、は不要かと思います。 あえて締めくくりの一行を入れるなら、 理沙はもう一度空を見上げました。かな? 旅鈴さん、的外れのような批評に真っ向から立ち向かってくれて嬉しく思いました。 100枚書いたら50枚に絞れ、は箴言です。せめて2/3ほどには絞りたいところです。 絞ると、こんどはどうしても加えたい文が見えて来ます。それは加えるにやぶさかではありません。 写真と同じです。本当に必要なものだけにぎゅっと絞る。 その意味では、俳句はとても良い文章修行になると思っています。 おつかれさまでした。Good job!!!
2018年04月13日11時23分
理沙の冒険 理沙は朝から退屈していました。 熱は下がったのに、お母さんは、まだ起きちゃ駄目、と言うのです。 窓のカーテンを開けると、庭のこぶしが満開でした。 花びらを反らして、今にも飛び立ちそうな白い鳩みたいでした。 空を飛べたら楽しいだろうな、私も飛んでみたいな。 ククルクルーと声がしていつの間にかたくさんの白い鳩が窓辺に来ていました。 私たち、飛ぶのをお手伝いしますよ。窓を開けてちょうだい。 理沙が窓を開けると、鳩たちはあっという間に理沙を背中に乗せて飛んでいきました。 ふわふわの雲のような鳩たちの背に乗って、理沙は大満足でした。 森も畑も家々も小さくて、まるでジオラマを見ているようでした。 ところが、急に太陽が翳ったと思うと、ぱらぱらとヒョウが降ってきて、 鳩の雲はこわれ、理沙はどんどん落ちていきました。 おかあさ~ん、たすけて~! 「まあまあ、理沙ったら、こんな所でうたたねして。風邪をぶりかえすわよ。」 お母さんが窓際で眠っていた理沙を揺り起こしました。 窓の外を見た理沙は、こぶしの花が散ってしまっているのに気がつきました。 お母さんに聞くと、さっき、突然ヒョウが降ったのだそうです。 理沙はもう一度空を見上げました。
2018年04月13日11時51分
再度のご指摘をありがとうございました。 丁寧に読んでいただいて感激です。 ご提案の文章を利用させていただきました。 これは私たちの共同作品ということになりますね。 ご指導、ありがとうございました。 春は天気が不順で、何が起こるかわかりません。 昨夜は雷が鳴りました。 ドイツには、春の天気の不順を歌った詩があります。 April,April,der weiß nicht was er will. 四月よ四月、彼は何をしたいのか知らない。 Mal Regen und mal Sonnenschein, 時には雨、時には晴れ、 Dann schneit's auch zwischendrein. はたまた雪を降らせたり、 April, April, der weiß nicht was er will. 四月よ四月、彼は何をしたいのか知らない。 これは一部ですが。 日本でも男心と春の空、とか言いますものね。 世界的に春は天気が不順なのです。
2018年04月13日13時10分
旅鈴さん 完成しましたね。 Welldone! 本当に半分以上絞りましたね。 生み出した文章を削ぎ取ってしまうのは辛いものです。 しかしそうやって研ぎ出すからこそ、切れる日本刀が生まれます。 お言葉ですが日本では、女心と秋の空、とも言うようです。 しかし天気は春の方が変わりやすいですね。 春雷や乾いた傘をまた広げ
2018年04月14日13時04分
yoshi.s
写真掌編:こぶしの頃 駅に停車している電車の中で、ドアの脇に立ち窓の外を眺めていた。 すると反対方向に行く電車のドアの窓から同じように外を見ている女性と目が合った。 OL風の若い人。少しうろたえながらもちょっと微笑んだら、彼女はウィンクを返してよこした。すこし驚いたが、ぼくは彼女を見続けた。 少しの間、二人は互いを見つめていた。 『今のこの時は、この一瞬だけだ』と、彼女も思っているとぼくは思った。 電車は間もなくそれぞれの方向に動き出した。 動きながらも目を合わせていたけれど、すぐに見えなくなってしまった。 電車が駅を離れると、流れる窓から白い花の咲いた木が見えた。こぶしの木だ。 花曇りの景色の中ににじんだように白い花が浮かんでいた。 さっきの女性がもう一度現れたかのように思えた。 花は風に吹かれたのか、わずかに揺れて、花びらが手を振ったように見えた。 さよなら、とぼくはつぶやいた。
2018年04月11日03時46分