ハッシー1951
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私はこのうす暗い川沿いの林道を、秋になると毎年歩く。 それは、この華奢な三本の楓に会いに行くのだ。 今年も三者三様の出迎えをしてくれているように見える。 先頭の長女は入口を開け「いらっしゃい」と私を招くような仕草、 道の真ん中に立つ次女は青い顔をして「また来たの!」と怪訝な表情で、 最後の三女は「まぁーいいじゃないの」と 言っているようで、 でも私はそんな姿のこの優美な三本の木に会いに行くのが楽しみだ。