この日は殊の他、底冷えが堪(こた)えました ただ、写真に対する情熱だけ 心意気だけが、どうしようもない寒気に対抗する手段でした ダイヤモンドポイントの夕日は まっすぐ海へ沈んで行きましたし サンタマリア号も 膨れ上がった夕日の中を 黒いシルエットを浮かべて滑って行きました 海遊館や観覧車の灯りが美しい玉ボケになって 私たちに花を添えてくれました 最後に誰もいない静寂の夜を切り取りました この建物の向こうは夥しい光が渦巻く喧騒の夜 真冬の懐かしい想い出の一枚でもあります

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