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写真掌編:桜の下で 23 最終回:山桜花

写真掌編:桜の下で 23 最終回:山桜花

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    (23)エピローグ 「それにしても、みんな今日の日をよく忘れなかったなあ」 「忘れないさ、君のあの句があるもの。なあ、みんな」 「うん。やはりあれだよなあ」 「えっ、何だっけ?」 「自分で詠んでおいて覚えていないのか?」 「じゃあみんなで読もうぜ。せーの!」  十年を旅して友よ花の下!! *下につづく *この小説は、今年度、第20回長塚節文学賞短編小説の部に入選しました。

    コメント14件

    yoshi.s

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    *つづき 「この句があったから、それを励みに十年を旅したんだ」 「この日にみんなに胸を張って会えるように頑張って来たよ」 「今日の日はただの同窓会じゃない。人生最初の大きな目標だった」 「これがなかったら、大学で何も考えずに過ごしちゃったかもしれない」 「いつも、みんなと再会する時のことを考えていたよ」 「おい、次の10年も要るんじゃないか?」 「うん、それなら次の10年を約束しようか」 「もちろんだよ」 「もう今から楽しみだ。これからの人生、頑張らなくちゃな」 若者たちの弾んだ声が、桜の下からいつまでも聞こえていた。 そうそう、これから笑美子がお茶を立て、玲子がバイオリンを弾くことを言い添えておきましょう。え、曲は何かですって?」 『主よ、人の望みの喜びよ』ではいかがでしょう。 *おわり 編集後記: 5、6回ぐらい続けてみたいと思っていた『写真掌編:桜の下で』ですが、案に相違して23回も続けることになりました。これは第1回から欠かさずコメントを下さっているmichyさんと旅鈴さん、さらにはannshii46さんという『固定愛読者(旅鈴さんの言によります)』の存在によるものと思っています。この方々のコメントは、表面的なものではなく、内容をよく読んでの心の感想でしたので、ことのほか励まされました。 またお気に入りを押して下さる写友のご支援にも励まされました。 やはり人は、褒められ、励まされて、継続する勇気や力が湧いて来るものです。 写真掌編という試みが、今回の写真短編という概念に発展しました。元はと言えば、写真歌(写真+和歌)、写真句(写真+俳句)という試みから発展したものです。solamimiさんの写真+詩という概念も参考になりました。 写真の発表サイトであるこのPHOTOHITO上で、このような実験的試みをすることを不快に思われる方もいらっしゃるかも知れないことは承知しています。ご容赦頂きたいと思います。 元より、多くのコメントを許容するこのPHOTOHITOというサイト自体が実験的です。このサイトで親しくなった写真人は数多くいると思います。このサイトは写真界に革命をもたらしたと言っても過言ではないでしょう。そのサイトの中で、写真の新たな可能性を探る動きがあってもよいのではないかと考えています。上手下手という垣根を越えて、写真愛好者がクラブ活動のように集い、楽しみ、新たな試みに挑む、そのような場を提供してくれているkakaku.comさんに心から感謝するとともに、この場をさらに活用させて頂けることを願っています。 写友の皆さんに感謝を込めて・・。

    2017年05月08日22時51分

    annshii46

    annshii46

    yoshi.sさんの作品世界に知らず知らずのうちに引き込まれていきました。 写真、俳句はもとよりクラシック名曲2曲にも出会えましたし、ビストロやお茶の世界、 はたまた社会貢献やいのちの大本に及んだドラマ興味深く楽しませていただきました。 ありがとうございます。 前半にも考えましたが、ほんとに仲間は斯く有りたいものですね。 最後はまた10年後に向かって決意する若者たちで締めくくられ(名曲とともに) 私も勇気をいただきました☆⌒(>。≪)!!

    2017年05月08日21時39分

    michy

    michy

    この日にために皆さんは10年間自分を磨いてきたのですね。 そして胸を張って全員が集まれるとは素晴しいです。 yoshi.sさまのマジックにかかり私も次を待ち焦がれる日々でした。 終わりは淋しいですが次の10年後が早くやってくるのを期待しています。 いろいろ大切なことを学ばせていただきありがとうございました。

    2017年05月08日22時11分

    yoshi.s

    yoshi.s

    編集後記に手間取ったため、また順序が入れ替わってしまいました。 *つづき、が先頭にあるものとしてお読み下さい。

    2017年05月08日23時58分

    旅鈴

    旅鈴

    本当に素晴らしいお話をありがとうございました。michy様のおっしゃるとおり、私も次を待ち遠しく思っていました。(大体私はせっかちで、辛抱ができない人間なのです。) 登場人物の皆さん、それぞれの分野で活躍しておられ、10年後の約束をきちんと果たしましたね。なるほど、あの句があったのですか。じゃあ、忘れませんよね。私はそれが不思議だったのですが、納得がいきました。 いのちの大本のお話は感慨深いものがあります。色々教えていただきました。本当にありがとうございました。

    2017年05月09日04時07分

    yoshi.s

    yoshi.s

    annshii46さん、michyさん、旅鈴さん 『固定愛読者』の皆さん、長い間おつき合い下さり本当にありがとうございました。 上記、編集後記にも書いた通り、皆さんが内容をよく読んでコメントを下さったことは、大きな励みになりました。 写真と文芸のコラボという試みは、いま始ったばかりと考えています。 まず写真があって、それから文が生まれるというスタンスは、雑誌等によくある、文に写真を付けたものとはいささか趣きを異にします。 私においては、写真は文のツマではなく、むしろ文の淵源です。 とくに、私が写真掌編と名付けた、写真と400字前後の短い文章(掌編小説/掌編エッセイ)のコラボは、この形式にマッチすると考えています。 これからも創作し続けるつもりです。と同時に、皆さんにも、写真句や写真歌、写真詩、等を含めて、トライしてみることをお勧め致します。 今後もよろしくお付き合い下さるようお願い致します。

    2017年05月10日11時44分

    ninjin

    ninjin

    此処にも固定愛読者が居ります。 遂に完成ですね、二十回を超える連載、愛読者が 次回の掲載を待ちわびる完成度の高さ、テーマの 普遍性・・・大きな生命という難しい概念を具体的な 人物像に仮託しての展開・・・小生はこの話のベースに 仏教があると考えます。 仏教用語で言えば「山川草木悉皆成仏」「全ての生命は 仏性を宿す」という考え方でしょうか? 世界の指導者が未だに国や民族のエゴに囚われていることを 嘆いておられましたね、善悪二元論ではない全ての生命は 「大きな生命で繫がっている」という考え方は未だ理想論 なんでしょうか・・・

    2017年05月10日21時35分

    yoshi.s

    yoshi.s

    ninjinさん おっと、失礼しました。 隠れ固定愛読者の存在は知っていました。時々姿を見せてくれていましたので。 じつは、俳句を扱ったちょっと長めの掌編を書こうと思って始めたのですが、つい興に乗って20回を越えてしまいました。旅鈴さん言うところの固定愛読者の応援が後押ししてくれました。 もうこうなると写真掌編ではなく、短編小説の類いですね。 で、そうしたら、ただの俳句会では済まなくなり、本質論に踏み込んでしまいました。これはいずれもっと深めた内容で取り組みたいと思っています。 古典哲学やキリスト教神学による一元論から、デカルトの心身二元論(もっともデカルトは心身二元を統一した一元論を認めていますが)へ。分けることによって物そのものを研究すること(科学)が行われ、それによって今日の知的物質文明の発展があるのですが、心の発展はほとんど見られません。アンバランスが今日の人間世界だと思います。これを是正するには、心を進歩させねばなりません。知識ではなく、心です。それには思考を超えて、全身的把握、あるいは直覚的把握、いわゆる悟りへの道を歩むしか方法がないのです。必ずしも悟らなくとも、その道を歩むことです。さいわい洋の東西を問わず、全身的行法は多くあります。これらを行うことが、出遅れた心を進化させる唯一の道だと考えています。したがって、誰でもが普通に行える、心身一元の行法に光を当てるべきだと思います。 難しいことではありません。読み書きパソコンをするように、座禅、瞑想、ヨガ、あるいは各種スポーツを瞑想のように行うこと、ランニング、水泳、山登り、何でもいいのです。ただし競技に重きを置いてはいけません。勝敗に拘泥するからです。 いずれにしても人間の進化は、いまのところこの方法以外にないと思います。 で、進化しなければ滅びの道を歩むことになるででしょう。 長々と書き連ねました。私の分野なのでつい饒舌になりました。ご容赦下さい。

    2023年03月17日21時10分

    旅鈴

    旅鈴

    ninjin様とyoshi.s様お二人の世界へはちょっと入っていけませんね。敷居が高くって。

    2017年05月12日05時04分

    yoshi.s

    yoshi.s

    旅鈴さん まあ、そんなこと言わずに。 二人の会話は、言葉は難しげですが、内容は、掌編『桜の下で』のとおりのことです。 敷居をまたいで入って来て下さい。

    2017年05月15日11時15分

    きょんキョン

    きょんキョン

    ありがとうございましたm(._.)m 心に響く言葉がありました。もっと知りたいと思い読みました。 難しいので もう一度 読んでみます。 きっと もう少し・・・。

    2019年09月23日00時05分

    yoshi.s

    yoshi.s

    きょんキョンさん 最後までお読み下さり、嬉しく思います。 こちらこそ、ありがとうございました。

    2019年09月24日13時21分

    はなてふ

    はなてふ

    余韻の残るエピローグでした 10年後はどうなっているのでしょうね 生き方を映したそれぞれの句が素晴らしい 吉夫さんとあなたは重なるところがあるのかしら なんて思いながら拝見してました 写真に句や詩を添えるのは思いつきましたが、小説を綴るというのは思いもつかず興味を引きました 毎回 といってもまだ二度目ですが、見事な構成でぐんぐん引き込まれます この後も、また少しずつ拝見しますね

    2020年04月27日19時36分

    yoshi.s

    yoshi.s

    はなてふさんに返事を書いていなかった。 いま気がつきました。 でもはなてふさんがこの物語を読んでくださっていたことは、当時に承知していましたよ。ありがとう。それが励みになります。

    2023年03月17日21時13分

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