yoshi.s
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J
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(14) 「じゃあ、僕か」 「おお」 少し間があいた。 みんなは、じっと待っている。 分け入りて・・・ 声がちょっと震えた。 みんなが僕の顔を見た。そして驚いたように目を見開いた。 僕の目が潤んでいるのに気づいたのだ。 僕は大きく息を吸って目を閉じた。 涙が溢れて頬を伝った。 もう一度大きな息をして目を開いた。 そして、まだちょっと震える声で詠んだ。 分け入りて 花ざかりの森 友のいて 桜の花の下は、時が止まったように静まった。 *下に続く
michy様、お早いですね。私は又も遅れをとってしまった!昼間はゆっくり時間をとれず、夜PCに向かうことになるもので、いつも遅いのです。タイスの瞑想曲を聴きました。えっこれだったの?メロディは知っていたけど、曲名をしりませんでした。いかにもはらはらと花びらが舞い落ちてきそうな感じです。公園を通りかかった人々も知っている曲が流れてきて足を止めたのだろうと思います。吉夫君の話が始まりました。私も耳をすませて聞こうと思います。
2017年04月30日00時06分
1粒が20粒、爺ちゃんが好きだから俳句クラブを募って、今はこうして吉夫くんが好きだから友達が集まってきたのですね。 人生は不思議なものだな・・・・ 成せば成る、なんだか勇気をいただいた気分になりました。
2017年04月30日16時57分
yoshi.s
*つづき 僕はもう一つ深い息をして心を調え、そして話し始めた。 「僕は・・、みんなも知っているように、お爺ちゃん子だ」 「可愛がられたというよりも、育てられたんだ」 「父と母は、海外出張中に飛行機事故で死んだ。僕が小学5年生の時だ」 僕はまた一つ深く息をした。 「それから僕は爺ちゃんに育てられた。爺ちゃんは、その2年前に婆ちゃんに先立たれ、一人で暮らしていた。だから僕と二人の生活は、爺ちゃんにとって良かったのかもしれない」 「だからお前は、お爺さんからいろんなことを教わっていたのか」と、真一。 「そう。爺ちゃんは高校の校長を長くやった人で、いろんなことを知っていて、いろんなことができた。爺ちゃんはそれを僕に伝えようとしたんだ。僕が面白がって何でも習うものだから、嬉しかったんだろう。実際、爺ちゃんは教え方がうまかった」 「だから吉夫は、入学すると同時に俳句クラブを作るようなことができたんだな」 「そのお陰で、おれたちがここにこうしているというわけだ。人生は不思議なものだな」 *次の桜につづく
2017年04月29日23時37分