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哲学の木のこと

哲学の木のこと

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    写真は、2001年夏の哲学の木です。 すぐにアップできる写真のうち、最も古いものを選んでみました。 写真家の一人として、今回のことで考えたことを書いてみます。 今回の件は、マナーの問題だけではなく、ルール作りの問題だと思うのです。

    コメント7件

    mizunara

    mizunara

    あの場所を最初に訪れたのはいつだったか、もう思い出せませんが、自分が大学生の頃、もう25年くらい前のことだったと思います。 車を走らせ、あの樹が近づいてくると、思わず「おおっ」と声が出るほど素敵な景色の場所でした。 あの樹と丘の畑が見せる景色には、優れた魅力がありました。 魅力がある場所には、人が集まります。 人が集まれば、何かと問題が起こります。 だから、そこにはルールが必要になる。これは仕方のないことです。 あの場所には優れた魅力があり、それゆえ人が集まるようになり、それゆえルールが必要になった。 しかし、残念ながら、適切なルールが作られなかった。 そういうことなのだろうと思います。 あの場所を訪れた写真家(プロ、アマ共に)や観光客の中に、マナーの悪い人や、農家の方々への思いやりにかける人たちがいた。そうした人たちを非難するのは当然ですし、そうした人たちが減るように働きかけるべきだとは思います。しかし、この世界から、マナーの悪い人がいなくなったためしはありません。ですから、人が集まる以上、マナーの悪い人が一定数いることを前提としたルール作りが必要なのだと思います。 僕は、大学の卒論の取材で、美瑛町の町役場を訪ねたことがありました。卒論のテーマは「農業の多面的価値」というもので、農業の営みがつくる景観が観光資源となっている美瑛町を、取材先の一つに選んでのことです。あのとき応対してくださった役場の職員の方は、すでに観光客や写真家による農地への立入りが問題になっていることを、指摘していました。あれから25年ほども経ちましたが、農業と観光とを両立させる有効なルールは、まだ不十分なように見受けられます。近年の写真ブームや、外国人観光客の増加にルールが追いついていないのかもしれませんし、優れた景観を見せる場所が個人の農地であることも、ルール作りを難しくしていることでしょう。そうではない白ひげの滝や青い池には、来訪者の増加に対し、それなりの対応がなされているように見えます。 別に町だけに、ルール作りの責任があるとは考えませんが、あの場所から直接のメリットを得ている人たち(旅行業者、宿泊業者、飲食店、写真家、観光客など)が相応の負担をして、景観を保全する役割を担っている農家の方々に還元する仕組みが望まれるのだろうと思います。もちろん、言うは易しで、具体的にどうすれば良いかは、これまでも関係者の方々の間で何度も議論されてきたことでしょう。 第三者的な無責任な言い方になってしまいますが、今回の悲劇を機に、対策が進むことを応援しています。

    2016年02月28日22時23分

    fes

    fes

    いつもありがとうございます。私が写真をやる前のもので、電流線もなかったでしょうね。 私も考えているのですが、結構クリアする課題が多いようです。農家にしてみれば、不法侵入者逮捕・起訴なんていうことでの効果がいいのでしょうが、観光業者が反対するという構図も考えられます。また、訴え主が地主ということでは面倒がるかも知れません。役場でその代行ができるというものもできればいいでしょうが、その効果や覚悟がどうなるか‥。いろいろな利害や助成の分配などもむずかしいのでしょうね。  すぐにできるのは啓発行動ぐらいでしょうか。ケント白石氏は現場写真をとって、次回同じことをしたら公表するともブログで書いてありましたが、注意する方も覚悟をもってしなければ、罵声や罵倒、逆ギレには対処できない状況らしいです。さて、私はどうしようか? 先ずは内緒で写真を撮っておいて‥、ICレコーダーにスイッチを入れて軽く注意程度でしょうね。それに加えて、パトロールの登録制度もつくってもらって、車に貼って啓発というのもいいと思っています。

    2016年02月29日14時45分

    mizunara

    mizunara

    fes さん、 fesさんにとっては地元の身近な出来事であり、これまでも気にかかっていた事態でしょうから、他人事ではありませんよね。 マナーの悪い人に対する注意や啓蒙活動は、何らかの団体として、公的な立場での活動のほうが(そしてできれば2人以上での行動が)、有効なのだろうと思います。個人でやると、fesさんもおっしゃるとおり、すぐにモメそうですよね。 以下のサイトには、2014年時点でこの問題について書かれてますが、観光協会としてパトロールもしているようですね。今はどうなんでしょう。  THE PAGE「北海道美瑛町、危ぶまれる農業と観光の共存」  http://thepage.jp/detail/20140714-00000010-wordleaf 僕は渓流釣りもするので、林道を行くことが多いのですが、最近の林道ゲートには、監視カメラが設置されている場所が増えてきています。これにより、林道のカギを壊したりしてゲートを無理やり突破する輩への抑止効果を狙っているのでしょう。たとえば哲学の木のそばにも監視カメラを設置し、「カメラによる監視中」などと注意書きを立てれば、効果はあったのではないでしょうか。もうやってたのかな。もちろん、地主さんによる対策ではなく、町や観光協会として対策すべきだろうと思います。 また、個人の農地や暮らしが、優れた景観として観光資源になっている例は、石川県や三重県などの棚田(千枚田)や、白川郷などが思い浮かびます。こうした土地で、観光と個人の営みをどう両立させているのか、参考になるかもしれません。 これも、現場の当事者の方々では、すでに検討済み・実施済みなのかもしれませんが、繰り返しになりますが、大事なのは、人が集まることによるメリットが、農家の方々に還元され、農家の方々も観光客や写真家を歓迎できるような関係をつくれる仕組みやルールだと思います。

    2016年02月29日23時23分

    ぱんだや

    ぱんだや

    実は偶然にこの現場を目撃してしまいましたが、あえて通り過ぎることがマナーと思い立ち去りました。 報道が地主さんたちが思うことのすべてを代弁できておらず、たまたま来た人のやりすぎだと思うとの声をオンエアしてしまうという、地主の方がこれまで幾度となく土地に勝手に踏み込まれ続けどんな苦しい思いでこれまで耐えてきたのかを思うとやり切れませんでした。 白石氏は個人的には攻撃的排除にしか思えず、言葉を見ると彼は農家の方の立場よりも観光資源としての見方にしか映らず、さらに今は削除されていますがかつてナショジオの中で雪の哲学の木に戯れる女性たちを撮った写真があったように記憶しているので、今回の件も中西氏のようにこれまで農家の方の話を聞いてきた人の声がある以上はピントがずれた話にしか聞こえません。 今後は町が独自の条例を出し、制度化することや見回りを強化するなどで対応するしかないでしょう。それ以外はガイドブックなどで必要以上に立入を禁ずることを書くなど地道なことを続けることで時間はかかるでしょうが、続けるしかないと思います。よくブログで乱暴な口調や脅すようなことを書きこんでいる人もいますが、そうではなく声を掛け合うことやポーズで知らせるなどで対応するのはもっともかなと。 器物破損や傷害、人身事故などトラブルを起こしてしまってはどうにもならないのですから。 さまざまな経緯を何年にも渡って経ているのですから、個人の土地であるからにはどんなに価値があっても美しくても所有者が決めたことに異論を唱える余地などないということです。 私は悲しい気持ちにもちろんなりましたが、同時にこれでよかったのだと思える気持ちにもなれました。

    2016年02月29日23時56分

    mizunara

    mizunara

    ぱんだや さん、 ぱんだやさんもホームグラウンドでしょうから、今回の件で、憤りや悲しさ、 やりきれなさをお感じのことでしょうね。あれからもう10日ですね。 Webをいろいろ調べてみたのですが、美瑛の景観と農業との間に起きてきた問題と、その対策を考察している方や団体の情報に接しました。  岡田明日香氏「美瑛町におけるまちづくりの方向性」(2002年、卒論)  http://miya.let.hokudai.ac.jp/modules/tinyd4/content/aokada.pdf  北海道開発協会「農村景観を共有財産として守るために」(2003年、公報誌)  http://www.hkk.or.jp/kouhou/file/mar11-03.pdf 岡田明日香氏の卒論でも既に、 優れた景観による来訪者の増加が、農業・農家の方々に悪影響を与えていることを指摘しています。 また、町の景観審議会による「景観保全基金」の設立に向けた取組みを紹介し、 景観の受益者による景観保全の行動を紹介しています。しかし、 それを農家の方々への直接・間接的に還元しよう、というところまでは言及していません。 北海道開発協会の公報誌でも同様に、 景観と農業の問題を指摘し、町の景観審議会による「景観保全基金」も紹介していますが、 農家の方々への還元については、言及していません。 農家の方々への還元は、制度や方式論的に、難しいところもあるのかもしれませんね。 この景観基金が、現在どのような状況なのかは分かりませんが、 ちょうど最近、北海道新聞のWebサイトに、以下の記事が掲載されました。  「哲学の木」もうないけど… 美瑛町、名所に年3万円  http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/politics/politics/1-0239743.html  一部抜粋:   上川管内美瑛町は26日、観光客の人気を集める丘陵地の木や建物の所有者に対し、   新年度から年間3万円の管理費を助成すると発表した。(中略)   町は「行政としても貴重な観光資源の保全を考えていきたい」と話している。(後略) これなどは、農家の方々の負担を軽減する具体的な動きですね。 僕としては、こうした動きをさらに進めて、負担軽減だけではなく、 来訪者増加のメリットが農家の方々に還元され、 さらには来訪者の方々の感動や感謝の気持ちが農家の方々に伝わるような仕組みが できるとよいと思っています。 さて、いろいろ書きましたが、そもそもの問題を起こしている人たちは、 我々のようなアマチュアカメラマンなんですよね。 僕の好きな写真家の一人、飯塚達央さんのブログに、以下のような記事が掲載されていました。  飯塚達央氏のブログ「「哲学の木」騒動に思う」  http://photoseason.blog25.fc2.com/blog-entry-2616.html ここに書かれている以下の言葉で、はっとしました。 「自分を含めて、カメラマンはみな同罪じゃないか。」 そうかもしれません。

    2016年03月05日22時11分

    自然堂哲

    自然堂哲

    大阪に住む私にとっては、この哲学の木、全く存じ上げていませんでした。。。 実は青い池もつい最近知りました。。。 こちらの木、素晴らしかったのでしょうね。そのような木がなくなったのは非常に残念ですね。 それがカメラマンの行いの悪さからなら、それは非常にショックな事です。 確かにそれはやったらアカンやろって事を平気でする方居てますね。 私も微妙なラインの事しますが、私も反省です。

    2016年03月06日10時53分

    mizunara

    mizunara

    自然堂哲 さん、 実際のところは、現地で何が起きてきたのか、地主の方はどんな思いをされたのか、そして今回どう判断したのか、当事者の方にしかわからないことだと思います。 ただ、美瑛では、残念なことに、その優れた景観でせっかく多くの人が集まるのに、その利益が、景観を作っている農家の方々に還元されていないこと。むしろ、特にカメラマンは農家の方々に良く思われていないということ。これは悲しいことですよね。 両者が折り合いのつくルールが望まれることについていろいろ書きましたが、自分自身のことを思えば、「自分は問題ない」などと胸を張れるわけもありません。

    2016年03月06日21時40分

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