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釉薬の生がけによるリスクの軽減

釉薬の生がけによるリスクの軽減

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    陶芸アート

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    きこりん

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    そもそも、「当別町の町興し」ということを考え始めたのがきっかけで 積極的に行うようになった陶芸だが いわゆる「器」というものを作ろうという意思がなかったので 作陶そのものは極めて自信が無い^^; 「土練り3年ろくろ10年」(人によって違うようだがw)と言われる陶芸だけに 私にはとても時間が足りなさすぎる^^; 過去に経験があるとはいえ 知り合いの陶芸教室に、たった一日行って 練り上がっている土で板を作り「後は頼む」とばかりに預けておき 適度に釉掛けされて焼き上がった物を受け取っただけに過ぎない。 では、なぜ「陶芸」を始めようと思ったのだろう? この当別の町に仮住まいし、頻繁に近隣の町へ写真を撮りに行っていたわけだが あるとき、車でおよそ2時間以上もかかる町に「ホタル」を撮影しに通った。 ホタルを撮影するためだけにこれほどの時間を使うことが無駄に感じた。 「もっと近くでホタルを見ることはできないか?」とネットで情報を探し始め ホタルをネット購入するに至った。 更に、育成方法を調べていると 石狩周辺や、札幌市、そして、当別町でもホタルがいるという情報を得たのだが その殆どが、自然繁殖そのものを考えずに人為的に放流されたものだけに 僅か1~2年で生息確認できなくなっていた。 その年の年末にネットで購入したホタルも 育成のための試行錯誤を繰り返しているうちに、翌年の2月には全滅させてしまった。 この年の春に、裏山へ山菜取りに行った際に、水のきれいな小川を見つけ その水域の中に、ホタルの餌となるカワニナが生息していることを知り ふたたびホタルをネット購入した際の餌として確保しておこうと 大きなザルを手に、この小川の砂地をすくってはカワニナを採取していた。 まだ日陰には雪が残り、非常に冷たい小川の砂底を何度かすくっていると カワニナに混じって、ホタルの幼虫が団子のように丸まって数匹入っていた。 それからというもの、毎日のように裏山へ行っては カワニナとホタルの捕獲に勤しんだ。 この採取したホタルとカワニナは、ガレージの一角に育成室を作り たくさんの水槽を並べ、大きな濾過槽を設置し育成した。 春には、壊れかけた物置を撤去し、その跡地に防水ブルーシートを敷き詰め 「ホタル育成池」を作り、ホタルが逃げてしまわないように周囲を防風ネットで覆った。 この年、育成していたホタルを池に放流し 地域の人たちに無料観賞できるよう開放することで、多くの人たちにホタルを楽しんでもらうことができた。 しかし、ココは当別町でも過疎化の進む地域で 周辺には家も少なく、街灯も道路横にしかないため、足元が非常に暗い。 ホタルを観賞に訪れる人々の殆どが高齢者と言うことを考えれば 足元が暗く、不安を感じるような状態ではいけないと クリスマスで使うようなロープライトを張り巡らしたりしたが どうにも風情が無い^^; また、この年には冷夏だったこともあり 屋外での観賞は高齢者には寒かったことから 翌年には、育成室そのものでの観賞としたが この年にも足元は暗く、空き缶や、塩ビ管に釘で穴を開けロウソクを入れて足元に並べたものや、道案内のためのロープライトだけが頼りだった。 この頃から、理想的なホタルの育成と観賞を考えるようになりはじめ 当別町の地図を見ては、自然育成に適していて 駐車スペースも作れるような、観賞に適した場所を探し 池や小屋を作り、池に植える植物や、駐車スペースから池までの道程の足元をどうやって照らすかを模索していた。 「もしも、このホタルが、当別町の町おこしのきっかけになるのなら・・・」 そこに関わる物を、一つでも多く当別町で採取できる自然物でできれば・・・ そこで考えたのが、休耕田の底に大量に眠る粘土の利用だった。 この年の秋 お隣さんの水田では収穫が終え、水の引いた水田の土切りをしていたので その中にあった粘土を僅かに分けてもらい この土を利用して、暗い足元を照らすキャンドルシェードを作ろうと考えた。 当然、ほとんど知識は無く、陶芸をするための窯もない。 それでも、やってみなければ何も始まらないので ネットで陶芸の知識を集めながら、土を練り、形作って、いくつかの穴をあけたキャンドルシェードを作った。 それと同時に、家の周辺に散らばっている材木を拾い集め たまたま家の裏に転がっていて邪魔だったコンクリート製の80キロ以上はありそうな大きなU字溝を転がしながら移動させ 火事の心配が無い場所に設置し 周囲をコンクリートブロックや煉瓦などで囲んで窯と

    2016年01月19日23時01分

    きこりん

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    し、材木を燃やした。 適度に乾燥したと思われる水田の粘土で作ったキャンドルシェードを まだくすぶって煙を吐いている窯の中へ静かに入れ 分厚いステンレスの板で蓋をして、少しずつ火力を強めた。 ブロックやステンレス板の隙間から火炎を噴き出していた窯も 僅か2時間ほどでその火力は衰え 夕方の暗くなるころには、わずかな熾火だけとなったので 中に入れていたキャンドルシェードたちを、皮手袋をはめて取り出した。 幾つかは割れたり、ひびが入ったりしていたが それでも使えそうなものもできあがった。 今にして思えば、この時すでに 1000度近い温度まで上がっていたようだ。 その表面は、赤茶色く変色し、自然釉がかかってガラス状になっている部分も見られ 爪で弾くと、キンキンとした金属音を放った。 これがきっかけで「陶芸」にのめり込むことになるのだが この後は、冬になってしまったこともあって 室内でレンガを積んで、小さな炉を作り ガストーチを使用して釉薬の研究をすることになる。 どうやったら、あの安直な窯で綺麗な表面の陶芸ができるか? 1000℃前後で溶ける釉薬を作るには? 赤、青、黄色、白、黒など任意の色を低温で発色させるにはどうしたらいいか? できるだけ市販品を使わずに陶芸をするにはどうしたらいいのか? そんなことを一冬考え続け、翌春から周辺の山へ土を探しに行ったり 砂利道を散歩しては「長石」と思われる石を拾い集めたり 釉薬原料となりそうな金属や灰を集めたりし 更には、採取地の違う土を練り合わせて、その可塑性や、耐火度を比べてみた。 重曹やホウ酸、塩なども釉薬原料とし その中に銅の錆や、カセットテープを燃やした灰を混ぜたりした。 その他にも、鉛筆の芯を粉にしたものや、ホッカイロの中の粉や タバコの灰、ドブに浮かんだ錆、煙突の煤、貝殻の粉末、KFCの骨の粉、海で拾った大量の海藻を燃やした灰などなど・・・ そんなこんなが幸いして? 今こうして、人がやっていない方法で陶芸を楽しむに至っている。 今回は、石膏で四角く型取りした中に、半磁器土(黒っぽいもの)や これまでの作陶で大量にたまった磁器土(白いもの)に珪酸ソーダを混ぜたものなどを流し込んで、まず四角いタイル状のものを作る。 完全乾燥をさせたら、今回は型を切り取った台紙を置き 上から茶漉しに入れた釉薬材料や金属粉などを静かに振い落す。 材料によっては、高温焼成の際に溶けて流れてしまうので 仕上げとして、流れてしまわないよう全体的に流れ止めとなる材料を振るいかける。 焼き上がったら、たわしを使って表面に残って焼き付いていない粉を洗い流す。 まだまだ作品としては完成度が低いのかもしれないが これはこれでアートしているつもりでいる。 そしてこの方法は、こんなアートなものを作るためだけではない。 陶芸そのものは日本の場合、弥生時代後期の須恵器ぐらいからだろう。 縄文時代の縄文式土器は、土器であって陶器ではないからだ。 さて、この須恵器というのは 土器が800℃前後の野焼きで作られていたのに対し 穴窯という半密閉状態の素掘りの窯を使用して焼かれたものであり 密閉された窯の中で、薪が燃える熱によって起こる風が 窯の底に溜まった灰を巻き上げ、真っ赤に焼けている陶器へと降り注ぐ。 この降り注いだ灰が、陶器の土の中に含まれる成分と化学反応を起こし ガラス質となり、陶器の表面を溶けて流れ、場合によっては全体を覆い尽くす。 その原理を理解した古代人は、これを意図的に完成させようとしたのが、釉薬の始まりである。 なぜかというと 当時は窯の温度をいつでも同じに保つことが非常に難しかったからであり また、窯の中の環境や、使用する土や、薪とする木材によっても違い 窯で焼くたびに必ず化学反応が起こるわけではない。 そこで、あらかじめ、土や灰を混ぜたものを、乾燥させて焼くだけとなったものにかけ高温焼成するという方法が行われることとなり 様々な灰や土、石、金属などが試され、現在に至っている。 この焼く前に釉薬をかけることを「生がけ」と言い 明治時代に入り電気窯などが登場するまでは、施釉せず焼しめる備前焼など以外の殆どが 生がけで焼成されている。 しかし、生がけにはリスクも多い。 せっかく完全乾燥させたものを焼く前に、再び水で溶いた釉薬材料をかけるので 再び乾燥させている間に歪んだり、時には崩壊してしまうことも少なくない。 だからこそ、古い陶器には価値も見出せる。 電気窯だけではなく、灯油やガ

    2016年01月19日23時02分

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    スでも手軽に陶芸ができるようになった昨今 リスクの多い「生がけ」は避けられるようになり 一部を除き、その殆どは「素焼き」「施釉」「本焼き」の過程で行われるようになった。 希少価値よりも、リスクを避けるための方法ではあるが 素焼きと本焼きと2度窯を焚くわけなので、経済的ではない。 さて、経済的に陶芸をするには、一度の窯焚きで作品を完成させればいいわけだが 「生がけ」ではリスクが多い。 この「痛し痒し」を解決するための方法として 水を使わない釉原料の振り掛けは有効的だと考える。 しかし、水平面ならまだしも、垂直面となると、振り掛けた粉が落ちてしまいうまくいかない。 なので、作陶後、作品がまだ生乾きのうちに釉薬原料を振り掛け定着させる。 もしくは、いわゆる「ドブ漬け」ではなく 霧吹きなどを使って釉薬を吹き付けるのも、必要以上に水分を含ませることが少ないので有効的だと考える。 いずれにしても、この方法で 「釉薬の生がけ」による型崩れなどのリスクをかなり軽減できる。

    2016年01月19日23時02分

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