カドワキタイガ
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この日の夜、花火大会がありました。 僕は、彼女なんていないし、全世界のカップルの繋ぐ手が全てS極になって、てんやわんやになればいいのにと、毎日仏様にお祈りをしながら思っています。 なぜなら、花火大会に群がるカップルがこの上なく妬ましいからです。 頼んでもいないのに、花火よりも眩しい輝きを放ちやがって。 だから僕は、木々も眠る夜に月を撮りました。 月は優しい。 なんの罪も無いカップルを憎んでいる僕でさえも、お月様は優しい光で包んでくれます。 僕は、月になりたい。