たかやん
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雪がとけた庭石に、知らぬ間に苔が生えていた。 今日は一日雨で、あたりはどんよりしていたのだが、苔の表面にはぴかぴかと輝くものが…。 調べてみると、名は「杉苔」というらしい。塔のように伸びているのはその胞子だ。 小さな胞子の塔ひとつひとつに霧雨がくっついて、それが透明に輝いていたのだ。 よくみると、水滴の表面にはひっくり返った全周360度の小さな「世の中」がぶらさがって映っているのだった。