film: Kodak T-MAX400 pushed up to 1600

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講評者：戸澤裕司（日本写真学院講師） 講評カテゴリ：ドキュメンタリー

クリスマスデコレーションのショーウインドウの前を通り過ぎるカップルが寒そうにモノクロで撮られています。作者のタイトルからは都会の寒々しい寂しい感じを強調したかったのかな、という感じですが作者本人も寂しいのでしょうか？画面左手にフェードアウトしようとしている通行人のカップルだけがこの地球上に生きていてあとは全てマネキン人形にされてしまった世界のようなシュールさがあります。こういう自分の内なる心象風景をモチーフにするならばタイトルにはもう一考の余地がありそうです。もしくはシリーズとしての中の１枚なのでしょうか。もう少し時代の空気感なども写し込めたら時間が経過しても生き残れる写真になったと思います。