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この背の高い白樺に似た白い幹の木を、私は勝手に「瀬谷の貴婦人」と呼んでいた。 横浜に住んでいた頃、よく撮影に出かけていた瀬谷の矢指市民の森。「彼女」はそこにいた。 特に秋から冬。その時期の彼女は、白い肌が一際美しい。 私は、その美しさをなぜかうまく写真に納めることができなかった。 ただただいつも遠くから眺めることが多かった。