reon4857
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この街は、霧に包まれている。 もうずいぶん長い間、 この霧は視界を遮り、吸い込んだ者の肺をおかす。 一人は気が楽でいい。一人は慣れっこだ。 日常が崩れ去り、なんともなかった言葉が 嘘であったと理解した瞬間、 一つ一つが心に突き刺さった。 閉じこもっている自分がどうにかなりそうだ。 わずかに残った正気を絞り、 アンテナと立てて、発信した。 どうか君に届きますように。 「僕はここにいるよ」