大きな窓から射し込む満月の光で撮影した月光ポートレート 築80年余の窓はアールで美しい 鍵を閉めてもなお3センチの隙間があり １月の夜の気温は4℃ 数千人を収用可能なこの巨大な建造物に この夜は僅か数名 モデルのバレリーナも撮り手のカメラマンも 暖房も入れず撮影に没頭 私は既に汗だくで 防寒具も脱ぎ捨て 5メートルの天井高の部屋に 無機質なシャッター音が いつまでも 響いた 私が撮影に選んだこの部屋は数ヶ月後 戦前の内閣総理大臣執務室として映画のロケに使用された

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ポートレートがモデルとの阿吽の呼吸で 作り上げる性格を有する以上、 Edgar Degasの踊り子(素描)は ポートレートスナップに分類されるかも どちらにしても新鮮な驚きに反応する事には変わりがない 近い未来に消滅する職業のひとつに プロカメラマンが挙がっている わたしもそう思う

2018年12月23日07時34分

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