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写真掌編：にほひをこせよ28：スピリット again again
J
B
人と写真をつなぐ場所
突然、足下の辺りで声がした。 「本質を見る目はどうなった？」 「どこから声がしたの？」。凛子が足下の辺りを探した。 「そこだ、そこ・・」。佳夫が指差した。 草の中に小さな、しかし悠然とした姿の、生きもののような草の葉が立っていた。 「わあ、また？」。凛子が声を上げた。 「また、とはご挨拶だね」と、生きもののような草の葉が言った。 「あなた・・、もしかして、スピリット？」 「そうだよ。見て分からないの？」 「だってこの前は、梅の花のお化けのようだったじゃない」 ＊下につづく
次はサクラね 話の展開に目が離せないわ(^^ゞ 野の花 ヒメオドリコソウね いかにも何か言いたそうです うっかり見逃しておりました(>_<) 可愛いうぶ毛が見えます～♪
2020年04月03日15時57分
ジョニー森永さんの目はいつでも本質に向かってるじゃありませんか。 画に付ける題がその証です。 ただ問題は、本質とは何か、ですね。 こればかりは、人それぞれに感じ取るものでしょう。
2020年04月05日21時57分
asasさん だいじょうぶ。大丈夫。ちっちゃな、ちっちゃなモンスターです。 モンスターも、ちっちゃければ可愛らしいものです。 天衣無縫の子どもの心でしょう。
2020年04月07日16時41分
頑張れ!てんちゃん
annshii46
yoshijin
asas
ぢ～
こなゆきん
近江源氏
memeko
yoshi.s
＊つづき 「お化けって、ひどいや。スピリットだって言ったでしょう」。「君たちにどう見えているのか知らないけど、僕の姿は、君たちの頭が描いているだけだよ。こんどは前とちょっと違うように見えているようだね」 「だいぶ違うわ。でもスピリットだと言うことは分かるわよ。そんな感じだもの」 佳夫も言う。「その時によって姿が変わるんだな。いや、君によると、君の姿は、ぼくたちが想像しているだけなんだから、今回はこんな風にぼくたちが見ているわけだ」。 「君たちが私をどんな風に見ていようと、私の知ったことではないが、この前教えた洞察の目、つまり本質を見る目は磨かれたかな？」。スピリットの問いは、二人の心の中に入って来るかのように聞こえた。 佳夫と凛子は顔を見合わせた。 「あれ以来ずっとそう心がけているんだけど、なかなか難しい」と、佳夫が言うと、凛子が続けた。「撮るものに話しかけるようにしているわ。そうすると向こうから見せてくれるような感じがする」 するとスピリットが言う。「うん。それでいいんだよ。見ようとするだけでなく、向こうが見せたいと思うようになればいいんだ」 「そうか。ぼくはまだ自分が撮ろうと言う意識が強すぎるのか」。佳夫が言った。 それに応えてスピリットが言う。「そうだ。洞察の目は、自分だけでは成り立たない。相手が自ら見せてくれるようにならなければならない」。「本質は、見せてもらうものなのだ」。「そのためには自分を抑えて、相手を尊重することだ」。「周りの野の花を見てみろ。だれかが咲かせたわけじゃないだろう。春が来て、すべての条件が調ったとき、花は自ら咲く。それと同じだ」。「君たちのやるべきことは、ただ自分を無くして相手を尊重することだ。そうすれば見ようとするものの本質は、ひとりでに見えて来る」 「あ、それ、少林寺の道場で教わった、自他一体になるコツと同じだわ」。突然、凛子が言った。「相手と一体になるには、まず自分を無にする」 「よしよし」。「それじゃまたね。いつでもそばにいるよ」。そう言ってスピリットの姿が消えた。 佳夫と凛子は顔を見合わせ、互いにうなずいた。 「よし、凛子、桜を撮りに行こう」。突然佳夫が言った。「街内の公園の桜が咲き始めたはずだ」。声が弾んでいた。 凛子が応じた。「OK！」 ＊つづく
2020年04月03日12時31分