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二人は一斉にその方向を見た。 梅の花の生きもののような、もの、がそこにいた。 「うわあ、なにこれ!?」。凛子が言った。 「え、君にも見えるのか?」と、佳夫が言うと、「もちろん見えるわよ」。「え、なに、佳夫くん、前から知ってるの?」と凛子が言う。 「ん、ああ・・」。佳夫が口ごもると、梅の花の生きもののようなものが言った。 「昨日からの知り合いだよ」 「うわあ、話しをする!!」。凛子の目が大きく開き、口も開いたまま閉じない。 *下につづく
これはこれは、はなてふさん。今回もお早い。アップ4分後じゃありませんか。 混乱。無理もありません。主人公ですら混乱しているのですから。まして読者は・・。 蕾の可愛さに免じて、次回にご期待を・・。
2020年03月15日15時07分
想空さん 梅をアルコールに漬けると梅酒になりますが、梅を発酵させて蒸留したもの(スピリッツ)ではありません。したがって、スピリットは梅酒ではありません。念のため。 梅の香はむせるほどのものではありません。そうか。さては梅酒を飲んだな。 ご高評、ありがとう!
2020年03月15日21時13分
yoshi.s
*つづき 「これは、ええと、たしか、スピリットって言うんだ。妖精のようなものだ」と佳夫が言うと、「妖精ではない、と昨日言っただろう。スピリット、だけでいい。間違った解説をするな」と、スピリットが言った。 「そんなことはどうでもいい。君は、ぼくにしか見えないって言ったじゃないか」。佳夫が言った。 「そうではない。私を感じ取れるかどうかは、私を見ようとするかどうかによる。多くの人は別に見ようとはしていない。だから見えない。君は見ようした。だから見える」 「じゃあ、凛子も見ようとしたのかい?」。佳夫が聞いた。 「した。だから見える」 「私、別にあなたを見ようとなんかしていなかったわ。第一、あなたのことを知らないのに、見ようと思うはずもないでしょう?」。凛子は困惑したように言った。 「それは、私を見ようとするということが、どういうことなのかを知らないからそう言うのだ」 「君を見ようとすることは、ただそれだけのこととは違うのか?」「君を見ようとすることには何か別な意味があるのかい?」。「もっとも、そもそも知らない君を見ようとすることなんて、初めからないだろうけれども・・」。佳夫も少し混乱しながら聞いた。 *つづく
2020年03月15日12時26分