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すぐ近くの花虎の尾のバーで一杯飲っていた黄揚羽にも、紅シジミと蜜蜂の話は聞こえていた。 「なんだかすっきりしない話ね」「事情は分かったけど、結局虫たちはありもしない秘密に踊らされただけじゃない。それも意図して広めた嘘の噂よ」「虫を馬鹿にしてるわ」 するとバーテンダーの花虎の尾が言った。「それじゃ、黄揚羽さん。あんたは菊芋には行かないかい?」 「そう言うわけじゃないわよ。話は分かったから行ってみるわよ」「花と虫は昔から持ちつ持たれつだもの。困っているならなおさらよ」 風が静かに微笑んだ。 *続く
セセリやしじみも素敵ですが、この揚羽の優美さは別格ですね。 物語は佳境に入っていますが、一つ気になるのは写真とストーリー の関係です。先にストーリーが出来ていてそれに合う虫たちの撮影を されたのか、はたまた撮り溜めた写真からストーリーを着想された のか?
2018年09月18日00時03分
ninjinさん 基本的には写真が先です。写真から物語が湧いて来るのです。しかし、文を書き始めてからは、物語と写真が交錯します。影響を与え合うのです。ですから写真は挿し絵ではありません。写真と文の筋が混じりあって物語が生まれるのです。そこが写真掌編小説というジャンルの独自性だと思います。読者にとっては絵本でしょうが、作者にとっては非常に有効な創作手段です。 文章を書いているうちに、こういう場面が必要だな、と思うことがあります。そうすると、その写真を撮るために、一ヶ所に30分もいる時があります。 たとえば、虫の飛ぶシーン。このシリーズでは蜜蜂です。するとそれに合わせてストーリーも、蜜蜂が飛んで行く、となります。蝶が飛べば蝶でもよかったのです。 紅シジミと蜜蜂の2ショットの画もだいぶねらって撮ったものです。「やったー」と思いました。もっともその写真がなくとも2人が話すところは書くつもりでした。でも写真があればベターです。 写真掌編小説に関しては、私の場合、きちんとプロットを決めて書いているのではなくて、その時その時に筋が生まれて来るのです。写真がその道案内人と言ってもよいかもしれませんね。
2018年09月18日01時05分
ninjinさまと同じです。揚羽さんは女王様の美しさ。 バーテンダーさんや揚羽さん、新たな登場人物に 物語がもっと続く予感で楽しみです。 偶然ですが私も昨日揚羽さんを撮りました。
2018年09月18日14時01分
裕 369
綺麗な色彩描写素晴らしい作品と思います。
2018年09月17日22時55分