★クリスタル★ ファン登録
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息子には目の不自由な老父がおり、毎日酒だけを楽しみにしていました。 ある日、息子は薪を取りに山に入ったところ、足を滑らせて谷底に落ち、気を失ってしまいました。 夢の中で酒の香りを覚えた気がしました。目がさめると、目の前に香り高い酒が湧き出る泉がありました。 息子は喜んで瓢箪に酒を入れて、老父にその酒を与えました。 すると老父の目が見えるようになったではありませんか。酒の泉は、不自由な体を直すということで有名になりました。 それが都におわす帝の耳に達し、親孝行の息子は、美濃の守に任ぜられました。