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⑷ 残念ながらぼくは第一志望の国立には入れず、第二志望の公立大学に入った。 高校をちょっとだけ大きくしたようなこじんまりした大学だ。 入学前のオリエンテーションに出席した。意気揚々という気分にはなれなかった。 でもオリエンテーションなのに学長が出て来て挨拶をしたのには少し驚いた。 アットホームな感じがした。手作りの教育を志していることも分かった。 巨大な大学の一粒になるよりも、ここの方がやりたいことをやれるような気もして来た。 ようし、ここで力を蓄えるか。少し力が湧いて来た。*下に続く
切ない気持ちで読ませていただいていました。 ゆうべ同じ大学に入ったらいいなぁ~と思っていたのに 書きそびれてしまいました。残念、でも嬉しいです。 楽しい展開にしてください。
2018年04月26日17時03分
ダブルス 美沙が綾子とダブルスを組むと言った時、クラブの皆は驚いた。 二人が靖をめぐって争っていたのは有名な話だ。 靖が突然、重役の娘と結婚して転勤してしまったから、 二人とも置き去りにされたわけだ。 でも彼女達はテニスはやめなかった。 新しいコーチは妻子持ちの50代、靖より厳しかった。 社会人テニスの県大会に挑戦しよう、と彼は提案した。 シングルスに三人、ダブルスはシングルスからでもいいし、新しく組んでもいいし。 どうだ、と聞いた時、美沙はすぐ立ち上がって言ったのだ。 綾子とダブルスに出ます。 肝心の綾子は寝耳に水の感じだったが、いいわよ、と応じた。 彼女達は就業後、クラブのコートで汗を流した。 二人のダブルスは意気が合っていた。 試合の日、白い服を着てテニスコートに立った彼女達は、 まるで二輪の白いこぶしの花のように、気高く凛々しかった。 サーブ権を得た綾子に、美沙が背中の後ろでクロスフィンガーを示した。 うん、と綾子が頷き、次の瞬間、ボールが高く宙に舞った。
2018年04月27日21時55分
旅鈴さん 大人の話ですねえ。 しかもこの恋敵の二人、丁々発止。やるねえ。 大人もこのぐらいになると本物の大人ですね。いや、昔の武将すら思い起こさせます。 二輪の白いこぶしの花、クロスフィンガー。キーワードを散りばめてくれて、うれしいなあ。
2018年04月28日01時38分
yoshi.s様、 いろいろ手直しをしました。 きっと最初のをご覧になられたのではないかと思います。 タグが付いていましたから。 一人称にすると、テニスコートの二人が気高く凛々しかった、 なんて言い方、おかしいかな、と思って。 それにクロスフィンガーをしている私は前を向いているから 後ろの綾子を見られないわけで、うんと頷いた様子もわかるはずないし。 いろいろ考え、第三者の立場から客観的に見ました。 詰めが甘いとつくづく思いました。 ただ、それに気がついたのがまだしも慰めではありますが。 彼女たちをお褒めいただき、ありがとうございます。 私自身は彼女たちみたいな大人ではありません。
2018年04月28日03時16分
掌編ですから、延長、直しがあるかもしれないので、タグは付けますがコメントは少しの間控えます。同じ事をしていますのでその辺はよく分かっていますよ。 なかなか彼女たちのような弾力性のある精神にはなれませんね。 でもその辺が分かるから書けるのですから、旅鈴さんもさすがの大人です。
2018年04月30日13時08分
yoshi.s
*つづき 間もなく入学式があった。 小さな大学とは言いながら、それでも500人の新入生があり、家族を含めると1000人を超える人たちが集まっていた。 ぼくの高校からここに入った人は他にいない。 なんだか朝の通勤ラッシュの人込みの中をたった一人で歩いてる気分だった。 会場に入りかかった時、「おいっ」という聞き憶えのある声とともに肩をぽんと叩かれた。 振り返ったぼくは固まった。・・・信じられない。 笑顔の君がいた。 *佳人あり ⑸ につづく
2018年04月26日14時42分