羽田昌弘 ファン登録
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猫は東の空を見上げた。 行方には空色の虹と七色の空が輝いていた。 「あれはなに?」 隣の母親猫が聞いた。 アオは母親猫の毛をやさしくなめながら小さな声で答えた。 「あれがこの世とあの世をつなぐ橋だよ、母さん、 兄さんから手紙が届いたんだ。あそこの橋のたもとで郵便局職員をしてるんだって」 母親猫は5秒ほどゆっくりのびをしたあとにアオの方を向いて聞いた。 「それでやっぱり行くのかい、兄さんのところに?」 アオは黄金の瞳をじっと空にすえてからたっぷり20秒ほどかけて 母親猫のほうに向きなおった。 そして言った