壮観である。静寂の中で虹色の谷は夕陽に照らされ刻々と色を変えていく。干上がった広大なクレイパンは既に影に覆われ、彫刻のような岩肌を西日が浮き上げる。これだけの景観でありながら、ウルルのような大観衆はいない。しかし、誰が見ていようと、見ていまいと、大自然のショーに手抜きは一切ない。中でも圧巻は大雨の後、クレイパンに水が溜まり、鮮やかな反射を水面に写し出すそうだ。残念ながら実際にはまだ見たことがない。いつの日かお目にかかりたいと思いつつ、闇にとけ込む虹色の谷をいつまでも眺めていた。