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*続き そのとき、ライラとリザがやって来た。二人ともぼくの毎夕のジョギングについて来て一緒に走るようになった女の子たちだ。 「ケイ、ピザを焼いて持って来たの。向こうのテーブルに行きましょう」と、二人でぼくの腕に腕を通して、ぼくをその場から連れ去った。 ピザは美味しかった。ぼくはワン・ピースを食べ終えてから二人に聞いた。「どうしてぼくをアレンたちのところから連れ出したんだい?」 すると二人は笑って、「あなたをワニから救出したのよ」と言った。 *下に続く *題名を草花たちのプレリュードに改訂
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*つづき 「ワニって、アドリアーナのことかい?」 「そうよ。あの子、大きな口を開けてなんでも食べるって、知ってる人はみんな言ってるわ」 「そうかい?そんな感じには見えないがなあ」 「男はみんな、そうやってだまされるのよ」 だまされると一体どうなるのだろう。だまされてみたい気もする・・、とは言わなかった。 「そうか。とにかく、ありがとう」 「何がとにかくよ。お尻の毛までむしり取られかねなかったのよ」とリザが言った。それを聞いたライラが自分の口を手で押さえた。 リザは「あ、ちょっとはしたない言葉だったかな」。「日本語の直訳よ。お爺ちゃんがよく言っていた言葉なんだ」と言った リザはブラジルのサンパウロ生まれ。日系四世だ。日本語を少し話す。ライラはニューヨークっ子でロングアイランド生まれ。二人とも大学を卒業し、この街で知り合い、この街で職を得ようと活動中だ。 *つづく
2021年05月15日21時28分